静岡茶市場で初取引 香る新茶響く手締め
04/21 15:03 (静新webnews)
新茶シーズンの幕開けを告げる静岡茶市場の新茶初取引が21日朝、静岡市葵区北番町の同茶市場で行われた。初夏の香り漂う新茶が県内外の各産地から持ち込まれ、商談が成立するたびに「シャン、シャン、シャン」と手締めの音が鳴り響いた。
注目のご祝儀相場は、静岡市清水区の両河内産の「やぶきた」で、1キロ当たり10万円と同茶市場の昭和31年開設以来、最高値を記録した。
取引開始に先立ち、午前6時半から式典が行われ、売り手の生産者やJA担当者、買い手の製茶問屋ら約800人が参加した。同茶市場の増井良夫社長は「茶園の状況は良好。消費者に満足していただけるおいしいお茶を届けられる」と今年の新茶の出来栄えに太鼓判を押した。来賓の石川嘉延知事は祝辞の中で「国内外で本物のお茶を求める傾向が強まっている。業界が一丸となり、静岡茶の振興を図ってほしい」と期待を寄せた。
この日の県内産の上場数量は7200キロ前後で昨年より2300キロ前後多かった。会場周辺では県内特産物の販売やもちまきなどが行われた。近くの問屋街も取引を本格化させ、新茶ムードに包まれた。
消費拡大願い込め「大台」
21日、静岡市葵区北番町の静岡茶市場で行われた新茶初取引で、同市清水区の両河内産の新茶(5キロ)が1キロ当たり10万円の過去最高値で取引された。緑茶の需要低迷が指摘される中、上々のスタートを切った。
仕入れたのは同市葵区安西の製茶問屋「和田長治商店」の和田治夫社長(57)。平成3年から昨年まで、八十八夜と末広がりにちなんで8万8000円の値を付けていたが、今年は例年にない良質の上、「茶業界が10年後も元気であってほしい」との願いを込めて大台に引き上げた。
生産者の両河内茶業会の森田富二会長(63)は取引成立後、ホッとした表情。「茶園の管理や天候状況に神経を使ったが、高い評価をいただき安心した。今日から来年の新茶づくりをスタートさせます」と笑顔を見せた。
来賓からは大相撲の潮丸関が式典に出席したことに触れ、「今年は業界挙げて『ごっつあん』と言える年にしよう」との声も。静岡商工会議所の松浦康男会頭は「静岡の新年度は新茶初取引のこの日から始まる。景気の減速感や政治の停滞はあるが、このご祝儀相場が景気の明るい兆しになってくれれば」と期待を寄せた。JA静岡中央会の山田勇次郎会長も「今年は特においしいお茶ができた」と話し、JA静岡経済連の柴田俊二理事長も「消費拡大につながる努力を」と関係者を激励した。
きょう新茶初取引
全国一のお茶の取扱量を誇る静岡茶市
場(静岡市葵区北番町、増井良夫社長)
は21日午前7時から、新茶初取引を行い、
今年の新茶シーズン到来を全国に告げる。
式典は午前6時半から。県内の生産者
や製茶問屋ら約800人が一堂に会する。
増井社長のあいさつに続き、石川嘉延知
事らが祝辞を述べる。大相撲の潮丸関や
お茶姫らも出席し、ムードを盛り上げる。
今年の初取引は昨年に比べて2日遅い。
今年の一番茶の出来は上々という。
取引は県内産が7時、県外産が9時から
それぞれ始まる。取引開始を前に、式典
出席者による手締めで今年の取引の活況
を祈念する。
(静新平成20年4月21日(月)朝刊)