太宰の魅力を語り合う 沼津桜桃忌
2009/06/14 (静新webnews)
生誕100年を迎えた作家、太宰治の魅力を語り合う「沼津桜桃忌」が14日、太宰が小説「斜陽」の1、2章を執筆した沼津市内浦三津の安田屋旅館で開かれた。鈴木邦彦沼津高専名誉教授の呼び掛けで毎年開いている交流会で、県内外から太宰ファン約120人が集まった。
旅館の玄関前で行われた碑前祭で鈴木名誉教授は、小説「斜陽」の1節が刻まれた文学碑建立の経緯をあらためて紹介し、制作者で富士市在住の石工、仁藤英機さんが「碑の前に立って刻まれた文字を読んだとき心が素直になれるように、磨くなど加工せず文字を刻んだ」とエピソードを紹介した。
講演で鈴木名誉教授は「“作家”太宰治は沼津で生まれたことは知られていないし、よく知られた写真のイメージから、太宰は暗い人間だと誤解されている。生誕100年の今年、多くの人に作品を読んでもらい、誤解を解いてもらえたら」と言葉に力を込めた。
また、太宰の娘で作家の太田治子さんが「斜陽の誕生」と題して講演した。中学生のころ、「『(太宰の作品の1つ)富嶽百景』は母から勧められて読み、健康的な太宰を感じた。しかし茶化して面白おかしく書いているところは好きではない」と話し、会場をわかせた。「斜陽は、母の日記の書き写しが多いが、(作品中の)直治の遺書は、私たちへの手紙だと受け止めてきた。太宰は現代に少ない言文一意の作家だ」と締めくくった。
2009/06/14 (静新webnews)
生誕100年を迎えた作家、太宰治の魅力を語り合う「沼津桜桃忌」が14日、太宰が小説「斜陽」の1、2章を執筆した沼津市内浦三津の安田屋旅館で開かれた。鈴木邦彦沼津高専名誉教授の呼び掛けで毎年開いている交流会で、県内外から太宰ファン約120人が集まった。
旅館の玄関前で行われた碑前祭で鈴木名誉教授は、小説「斜陽」の1節が刻まれた文学碑建立の経緯をあらためて紹介し、制作者で富士市在住の石工、仁藤英機さんが「碑の前に立って刻まれた文字を読んだとき心が素直になれるように、磨くなど加工せず文字を刻んだ」とエピソードを紹介した。
講演で鈴木名誉教授は「“作家”太宰治は沼津で生まれたことは知られていないし、よく知られた写真のイメージから、太宰は暗い人間だと誤解されている。生誕100年の今年、多くの人に作品を読んでもらい、誤解を解いてもらえたら」と言葉に力を込めた。
また、太宰の娘で作家の太田治子さんが「斜陽の誕生」と題して講演した。中学生のころ、「『(太宰の作品の1つ)富嶽百景』は母から勧められて読み、健康的な太宰を感じた。しかし茶化して面白おかしく書いているところは好きではない」と話し、会場をわかせた。「斜陽は、母の日記の書き写しが多いが、(作品中の)直治の遺書は、私たちへの手紙だと受け止めてきた。太宰は現代に少ない言文一意の作家だ」と締めくくった。