千本松原被害600本に
台風15号で倒木、伐採 沼津
県、自治体で調査
沼津市から富士市にかけての海岸部に広がる景勝地の干本松原で、台風15号の強風で倒れたり、倒れた後に伐採したりした松の数が概算で600本に上ることが、県や市の30日までの調査で明らかになった。
県有地や市有地、民有地などに分かれていて、22日以降に各管理者が被害状況を調べた。松と広葉樹を合わせた被害総数は現時点で760本程度になるが、把握しきれていない民有地も一部あり、さらに増えそうだ。
台風15号により県東部は21日午後から夕方にかけて風雨が強まり、午後4時半には沼津市の最大瞬間風速は46・5㍍に達した。過去最高とみられる。松原周辺では、折れた木が隣接する民家に倒れかかったり、飛んだ枝で民家のガラスが割れたりするなどの被害が出た。
民家や県道に倒れ込む危険性がある木は、県や市が委託先の森林組合に優先的に伐採を依頼するなどして対応をしている。
【メモ】 千本松原沼津市から富士市までの海岸線沿いに広がる松原。沼津港から富士川左岸までとの見解もあるが、範囲に詳細な定義はない。潮害や風害を防止するため古来から住民が手入れし、推定で30万本を超えるクロマツが植えられている。災害対策機能を果たすとともに松並木の美しさから文人にも愛され、大正期には歌人若山牧水が一角に家を建て晩年を過ごした。
【静新平成23年10月1日(土)朝刊】