2015年08月

高尾山古墳で市長が考え

解体調査も依然、選択肢に

 高尾山古墳で市長が考え
2015年08月27日09時37分02秒0003 

 二十六日に開かれた定例記者会見で栗原裕康市長は、今月六日の臨時記者会見で高尾山古墳の解体調査方針を「白紙撤回する」と表現したことについて、「(調査予算を認めた)議会の議決を留保したことの延長に過ぎない」と改めて説明。解体調査を行う従来の方針は最終的な選択肢の一つとして残されている、との見解を示した。

 従来の方針は、古墳表面の土を剥ぎ取りながら古墳の内部構造などを明らかにする調査を行い、調査により消滅した古墳跡地に都市計画道路沼津南一色線の車道を整備するというもの。古墳を囲む空堀である周溝の一部は埋め立て保存され、その上に歩道が整備される。中心部分を含む古墳の大半は失われるが、古墳のごく一部でも地中に残ることにより、古墳の正確な位置を後世に伝えられる意義がある。

 今回の会見で栗原市長は、解体調査方針について「古墳の学術的な価値を別の場所に保存する方法」だと表現し、「調査により古墳を壊すことは学術的価値を損なうものではない」との考え方を示した。その一方で、「古墳を現状保存すべきという声も出てきているので、これからは現状保存の是非も含めて協議することになる」と述べた。

 また栗原市長は、協議後に最終的な結論を出す際の選択肢についても語り、選択肢から除外される事柄として「道路建設を断念する」「古墳をブルドーザーで壊して道路を建設する」の二点を挙げたが、表土の剥ぎ取り調査によって古墳を解体し道路を整備するという選択肢については、依然として有効であるとの考えを見せた。

 

 保存など扱う協議会を開催

 93日に第1回、一般傍聴も受け付け

 高尾山古墳の保存問題を扱う協議会(*)の第1回が、九月三日午前十時十分から十一時四十分までプラサヴェルデ四階の会議室で開かれる。一般の傍聴も可能で、当日の十時まで会場前で受け付けを行う。

 協議会では、都市計画や文化財保存などの専門家が委員として出席し、「高尾山古墳保存と沼津南一色線整備の両立を図るために、実現可能性のある選択肢を検討する」とされているが、古墳保存と道路整備のあり方の最終的な決定は栗原裕康市長によって行われ、協議会に決定権はない。協議会が道路整備案などの具体案を提示することもないという。

 この協議会は、古墳解体調査費を含む補正予算案が六月三十日に市議会で可決された直後、市長が報道関係者からの取材を受ける中で開催を表明していた。

 八月六日には臨時記者会見が開かれ、協議会の位置付けや内容について藤岡啓太郎副市長から説明が行われた。この席上、報道関係者からの質問に答える形で栗原市長が従来の方針の「白紙撤回」発言を行っている。

 協議会を構成する五人の委員と二人のアドバイザーの顔触れは次の通り

(敬称略)

 委員▽大橋洋一=学習院大学法科大学院法務研究科長。専門は行政法と都市計画。

 ▽久保田尚=埼玉大学大学院理工学研究科教授。専門は都市計画。

 ▽矢野和之=文化財保存計画協会代表取締役、日本イコモス国内委員会事務局長。専門は文化財保存計画。

 ▽難波喬司=静岡県副知事、京都大学客員教授。

 ▽杉山行由=県教委教育次長。

 アドバイザー

▽神田昌幸=国土交通省街路交通施設課長。

 ▽禰宜田佳男=文化庁記念物課主任文財調査官。

 (*)正式名称は「高尾山古墳保存と都市計画道路(沼津南一色線)整備の両立に関する協議会」。公式の略称はない。

【沼朝平成27827()号】

高尾山古墳の取り壊し 沼津市、方針白紙に

高尾山古墳の取り壊し 沼津市、方針白紙に

2015年08月07日04時48分04秒0001 

 沼津市は6日、都市計画道路「沼津南一色線」の予定地にある高尾山古墳(同市東熊堂)をめぐり、調査発掘のために墳丘を取り壊すこれまでの方針をいったん白紙に戻し、新たに設置する有識者を交えた協議会で現状保存と道路整備の両立を図るために議論を進めていく考えを明らかにした。

 同古墳は200814年の市教委の発掘調査で、古墳時代初期(3世紀前半)の東日本最大級の前方後方墳と判明した。栗原裕康市長は6日の会見で、5月一に日本考古学協会が出した保存活用を求める会長声明などをきっかけに多くの市民が古墳に関心を持ったことを重視し、「市が出した(墳丘取り壊しの)結論にこだわらず、一から検討することに決めた」と方針変更の理由を説明した。

 墳丘取り壊しを伴う調査発掘の費用5100万円を盛り込んだ一般会計補正予算案は6月定例議会で可決したが、予算の執行は一時停止するという。

 協議会の委員は日本イコモス国内委員会事務局長の矢野和之氏、都市計画に詳しい大学教授、難波喬司県副知事らの5人。アドバイザーとして国土交通省、文化庁の職員各1人が加わる。

 第1回協議会は93日に同市のプラサヴェルデで行い、一般に公開する。本年度内に3回程霧論を重ね、実現可能性のある選択肢を検討する。市民らの意見を聞く機会も別に設ける方針。

 栗原市長は「協議会の議論を踏まえ、最終的な判断を下したい」と述べた。

 

 「評価できる」 市民の会代表

 沼津市が6日、高尾山古墳取り壊しの方針をいったん白紙に戻したことについて、古墳の現状保存を求める「高尾山古墳を守る市民の会」の杉山治孝代表は「市民の声に理解を示したという点で評価できる」と肯定的に捉えた。

 道路の早期完成を求める要望書を栗原市長に提出した周辺5自治会の一つ、東熊堂自治会の杉山僖沃会長は「文化財を否定するつもりはないが、道路と現状保存の両立は無理だろう」と現地で生活する立場としての実感を繰り返した。

 古墳の保存活用を求める会長声明を出した日本考古学協会の橋□定志理事は「地域のアイデンティティーを育むための方策を考えてほしい」と協議会の議論に期待を示した。

【静新平成2787()朝刊】


静岡・高尾山古墳:撤去方針を沼津市長が撤回 「反対、想定以上」

毎日新聞 2015年08月07日 東京朝刊

 道路建設で取り壊される予定だった静岡県沼津市の高尾山古墳について、同市の栗原裕康市長は6日の記者会見で「方針を白紙撤回する」と表明した。高尾山古墳は3世紀前半に築造された東日本最古で最大級の前方後方墳。市は今後、古墳の現状保存と道路建設の両立を目指す。

 市は5月に取り壊し方針を表明し、今年度補正予算に関連事業費を計上した。日本考古学協会は保存を求める会長声明を出し、市内では保存を求める3団体が設立された。栗原市長は方針転換の理由について「報道と会長声明をきっかけに、全国から想定をはるかに上回る意見を頂いた。反省したい」と述べた。【石川宏】

高尾山古墳:撤去方針を沼津市長が撤回

毎日新聞 2015年08月06日 20時04分(最終更新 08月06日 21時49分)

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 道路建設で取り壊される予定だった静岡県沼津市の高尾山古墳について、同市の栗原裕康市長は6日の記者会見で「方針を白紙撤回する」と表明した。高尾山古墳は3世紀前半に築造された東日本最古で最大級の前方後方墳(全長約62メートル)。市は今後、古墳の現状保存と道路建設の両立を目指す。

 市は5月に取り壊し方針を表明し、今年度補正予算に関連事業費5100万円を計上した。日本考古学協会は保存を求める会長声明を出し、市内では保存を求める3団体が設立された。

 栗原市長は方針転換の理由について「報道と会長声明をきっかけに、全国から想定をはるかに上回る意見を頂いた。反省したい」と述べた。現状保存と道路建設を両立する具体策は、有識者でつくる協議会を9月に設置し、検討する。

 日本考古学協会の篠原和大理事は「邪馬台国の時代の古墳。将来にわたり、歴史を正しく理解する上で現状保存は欠かせない。歓迎したい」と評価した。【石川宏】

 
古墳取り壊しは一旦白紙に

協議会で道路との両立考える

 市は六日、臨時記者会見を開き、高尾山古墳保存問題に関する協議会の詳細を発表した。協議会は古墳保存と沼津南一色線整備の両立を図るためのものと位置付けられ、栗原裕康市長は、市の従来の計画(*)について「白紙撤回する」と表現したほか、「保存」という言葉の定義については「現状保存」と明言した。

 9月以降、3回の協議会

 結論参考に市長が最終決断

 会見には栗原市長のほか藤岡啓太郎副市長、間一宮一壽都市計画部長が出席した。間宮部長が協議会の概要資料を読み上げ、藤岡副市長が詳細説明をする形で会見は進められた。

 会見によると、協議会の開催目的は「古墳保存と道路整備の両立を図るため、実現可能性のある選択肢を検討し、市が事業方針を決定するために必要な条件整理等を客観的に行う」ことだという。

 協議会は従来の計画にこだわらず、あらゆる可能性が追求される場になるというが、協議会が何らかの最終案や結論を出すのではなく、最終決定は市長が下す。市長が結論を出す際の判断材料を提供することが、協議会の役割となる。

 協議会は五人の委員と二人のアドバイザーで構成される。それぞれの顔触れは次の通り。

 委員▽大橋洋一氏=学習院大学法科大学院法務研究科長、専門は行政法と都市計画

 ▽久保田尚氏=埼玉大学大学院理工学研究科教授、専門は都市計画

 ▽矢野和之氏=文化財保存計画協会代表取締役、日本イコモス国内委員会事務局長、専門は文化財保存計画

 ▽難波喬司氏=静岡県副知事、京都大学客員教授

 ▽杉山行由氏=県教委教育次長

 アドバイザー▽神田昌幸氏=国土交通省街路交通施設課長

 ▽禰宜田佳男氏=文化庁記念物課主任文化財調査官

 協議会のスケジュールについては、第1回を九月三日にプラサヴェルデ会議室で開き、今年度内に三回程度の開催を予定している。市長が最終決定する期限については特に定められていない。

 また、協議会は一般傍聴可能だが、市民意見の扱いにういては、意見聴取の機会を設ける予定はあるものの、協議内容にどのように反映させるかは検討中。

 今回の会見を受けて、古墳保存要望活動を続けている「高尾山古墳を守る市民の会」の杉山治孝代表は「当初は再検討はあり得ないとされていた市の方針が白紙に戻った。これまでの私達の運動に何らかの意味があったと思いたい。協議会には、市民の声が反映されるような仕組みをお願いしたい。これからも古墳の価値を一人でも多くの市民に伝える活動を続けていく」と話した。

 一方、これまで長年にわたり沼津南一色線早期整備の要望活動を行ってきた岡宮自治会の会長も務めた門池地区連合自治会の佐野親邦会長は「まずは道路が整備されないと、周辺地域の交通安全など生活環境の問題が解決されない。歴史も大事だとは思うが、協議会では、今を生きる人の生活のこともしっかりと取り上げてほしい」と望んだ。

 (*)従来の計画=古填表面の土を少しずつ剥ぎ取りながら古墳の内部構造や建造方法などを調査し、この調査で姿を消す古墳墳丘部の跡地に車道を建設、古墳を取り囲む堀(周溝)の一部は埋め立て、その上に歩道を建設するというもの。

 この結果、周溝の一部のみが地下に保存されることになる。周溝の一部保存のみであっても、古墳の正確な所在地を後世に伝えられるという意義がある。

 

 多くの人が古墳に関心

 市長が従来方針「白紙撤回」の背景脱明

会見中、従来の方針の「白紙撤回」に至った理由を問われた栗原市長は「古墳の価値については初めからしっかりと認識していた。(古墳の取り壊しを)隠れて、こそこそとやるつもりではなかった」と前置きした上で、「古墳を別の場所にていたが、保存を求める学会声明等があった」「テレビなどの報道機関が取り上げなければ高尾山古墳のことを知らなかった人も多かっただろうが、想定よりもはるかに多くの人々が古墳に対して関心を持っていることが分かった」などと答えた。

 また、沼津南「色線と高尾山古墳に対する民意をどのように捉えているかを問われると、「市民の意見はいろいろある。『古墳をすぐに壊して道路建設を進めてほしい』『道路を造らないでほしい』といった極端な意見もあるかもしれないが、大まかなところでは『両立を望む』が市民の考えとなるのではないか」との見方を示した。

 このほか「協議会の委員に考古学の専門家が入っていない」という指摘には藤岡副市長が答え、「古墳の価値は参加者全員が共有しているという前提になっている。文化庁からのアドバイザーもいる」として、考古学者の参加は不要だとの考えを示した。

【沼朝平成2788()号】


 

 高尾山古墳の検討協へ要望

 高尾山古墳の検討協へ要望

 沼津、3市民団体

 沼津市が道路建設のために墳丘取り壊しを伴う発掘調査を決めた高尾山古墳(同市東熊堂)をめぐり、現状保存を求める3市民団体は5日までに、栗原裕康市長が道路建設と古墳保存の両立を探るために設置する検討協議会に関して要望書を同市に提出した。

 「高尾山古墳を守る市民の会」「高尾山古墳を考える会」「高尾山古墳の保存を望む会」の代表らが市役所を訪れ、政策企画課秘書室の担当者に要望書を手渡した。現状保存に向けた新案の検討、遺跡保存と開発の両立事例に携わった経験や学識がある人物の参加要請、公開の場での議論などを求めた。

 協議会の設置時期について栗原市長は721日の定例会見で「お盆明け」と話している。

【静新平成2786()朝刊】

 

 古墳問題考える協議会で要望

 保存要望する市民3団体

 高尾山古墳の保存要望活動を行っている市民グループ三団体(*)は四日、同古墳に関する協議会に向けての要望書を栗原裕康市長宛てに提出。三団体の代表が代理の職員に手渡した。

 都市計画道路沼津南一色線の建設に伴う高尾山古墳の保存問題では、古墳を取り壊しながら進める調査の費用を含む補正予算が市議会を通過したが、栗原市長は調査実施の一時保留と、古墳保存のあり方を再検討する協議会の開催を表明している。

 同協議会については、①八月中旬以降に開催、②国や県の関係機関に協力を要請、③中立の学識経験者の参加、④一般傍聴可能、⑤協議会での結論を参考に市長が最終判断をする、などの方向性が示されているが、詳細は、いまだ公表されていない。

 三団体による要望の要旨は次の通り。

 ▽協議会がすべて公開されること。

 ▽協議会が沼津市の従来の計画だけでなく新たな案についても取り上げられる場になること。

 ▽重要遺跡の保存と開発行為との両立事例に関する学識経験者を協議会に招くこと。

 ▽市民の意見も協議内容に反映される運営が行われること。

 (*)三団体日高尾山古墳を守る市民の会、高尾山古墳を考える会、高尾山古墳の保存を望む会

【沼朝平成2786()号】

平成24年4月11日の静新記事「高尾山古墳調査報告書完成」

国内最古級説も 沼津・高尾山古墳

 市教委 調査報告書が完成

 沼津市東熊堂の高尾山古墳の発掘調査を行っていた沼津市教委は10日、市議会文教消防委員会で古墳の調査報告書の完成を報告した。前方後方墳の同古墳は、西暦230年ごろに成立したとの説があり、市教委は「古墳時代成立の過程を解き明かす鍵になる極めて重要な古墳」としている。

 同古墳は、市教委が2008年に発掘調査を開始し、09年には国内最古級の230年ごろに作られた高坏(たかつき)が見つかった。ただ、副葬品の鉄製の鏃(やじり)などがそこまで古くないため、同古墳が250年ごろにできたと唱える研究者もいる。

 国内の代表的な前方後方墳は、卑弥呼の墓との説もある奈良県桜井市の箸墓古墳。成立年代は250年ごろとみられる。仮に高尾山古墳が230年ごろにできたとすると、東海地方でも独自に古墳文化が進行していたことになる。

 市教委の担当者は「今後さらに研究が進められていくと思うが、決着には時間がかかりそう」と話している。市教委は近く、希望者に調査報告書を販売する予定。また、5月上旬から市文化財センター(同市大諏訪)で高尾山古墳の出土品を展示する。7月下旬には同古墳にまつわるシンポジウムを市民文化センターで開く予定。

(静新平成24411日朝刊)

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