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鈴木久未子さん(沼津市立今沢小学校養護学級担当教諭)
子供の訴えに耳傾け
県立沼津聾学校を振り出しに、現在の沼津市立今沢小まで、五つの小学校で養護学級を担当した。「子供たちのパニックや叫び、何とかしてほしいという訴えに引っ張られてきただけ」と三十三年間を振り返る。
豊かな経験や実績があろうとも「私は医者ではないので障害を断定はできない」と周囲と相談しながら進めるのが基本。通常学級で学ばせたいのが保護者の共通の願い。本人の意思も大切。決して意見は押しつけない。親と協力しながら子供の変化を見届けることで親が自信を持ち、子供に愛情を注ぐようになる。それが子供の安定につながる。その瞬間が何よりうれしい。
学級経営は養護学級に収まらない。養護学級が行う演劇発表会のボランティアとして学校全体の教員や児童を巻き込み、孤立しがちな養護学級と通常学級との間の壁を自然と取り払ってしまう。
今秋大きな病を患い、不自由な思いを経験した。「もっと子供の立場に立ってあげられるかなと思う」と児童の訴えに一層、敏感になった。沼津市柳沢。(静新06年11月26日朝刊)