沼津の史跡「興国寺城跡」周縁部、追加指定へ・文化審答申
文化審議会(石沢良昭会長)は十八日、景勝地「琴引浜」(京都府京丹後市)を鳴き砂の浜としては初めて天然記念物・名勝に、沖縄の大規模墓跡群「銘苅墓跡群」(那覇市)を史跡にするなど、新たに計十四件を史跡、名勝、天然記念物に指定するよう伊吹文明文部科学相に答申した。追加指定は計二十五件で、静岡県内では、沼津市根古屋の史跡「興国寺城跡」の周縁部の一部を新たに史跡指定するよう求めた。
また、重要文化的景観に「アイヌの伝統と近代開拓による沙流川流域の文化的景観」(北海道平取町)など二件の選定を求めた。登録記念物には国内最古の甘柿「禅寺丸柿」(川崎市)など十一件の登録を答申した。文科相は近く答申通りに指定、選定する。
興国寺城は、室町時代に今川氏が築いたと伝えられる山城。戦国武将・北条早雲が旗揚げした城として知られる。今回、外堀と外縁部の沼湿地跡の計約二万平方?が追加指定されることになる。指定区域拡大で、東、南、西の三方を湿地帯に囲まれた特徴的な構造を持つ城が、一体的に保存できる。
同城跡はこれまで、一九九五年に本丸、二の丸、北曲輪を主体とする区域が史跡指定され、二〇〇〇年には三の丸と外堀の一部が追加指定された。これで市教委が「史跡として保存すべき範囲」とした約十二万平方?のうち、約十一万平方?が史跡指定を受けることになる。
〇三年度から本格的な発掘調査を続ける市教委は「今後は史跡指定された用地の取得を進め、早期に史跡公園として整備したい」としている。(静新平成19年5月19日(土)朝刊)
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