伊豆市の国道136陥没・台風大雨で地滑りか・沈下進み復旧メド立たず(静新平成19年7月25日(水)朝刊)

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伊豆市土肥の国道136号が約五十?にわたって陥没した自然災害は、台風4号に伴う大雨が引き起こした地滑りが原因とみられることが二十四日、県沼津土木事務所などの調べで分かった。
二十三日午前八時ごろに道路の陥没が確認されて以来、陥没の深さは広がっていて、二十四日午後六時現在、地面のくぼみは五十-六十?ほど。現場の状況などから、台風4号の大雨を含んで重くなった土砂が地滑りを引き起こした可能性が高いという。静岡地方気象台によると、十二ー十五日に同市天城山で四三二ミリの雨量を観測した。
現場付近では四十六年前にも地滑りが発生、盛土して道路を整備した経緯があり、同土木事務所は地滑りの活動を監視するとともに、専門技術士による原因調査を行っている。同土木事務所の野知泰裕修善寺支所長は「早急な対策を講じたいが、沈下が進んでいるので復旧のメドは立っていない」としている。

観光シーズン本番前に打撃土肥の関係者
夏の観光シーズン本番直前に、伊豆市土肥地区など西伊豆地域に続く国道136号が二十三日から通行止めになったことで、関係者から観光への影響を心配する声が上がっている。
県沼津土木事務所はう回路として修善寺戸田線、沼津土肥線を紹介し「ているが、伊豆市観光協会土肥支部の山田伸次事務局長は「136号と比べ、土肥まで片道で三十分ほど時間が余計にかかる」と指摘。「戸田の海水浴に流れたり、土肥への旅行をためらう客も出てくるのではないか」と日帰り客の減少を心配し「大きな痛手」と頭を抱える。
土肥温泉旅館協同組合の鈴木安広さん(四六)も「渋滞が発生すれば時間をさらにロスし、堂ケ島(西伊豆町)などへの影響もあるのでは。宿泊客のキャンセルも出てくるかもしれない」と早期復旧を渇望する。
陥没した道路の目の前にあるドライブイン「グリーンヒル土肥」の従業員芦川えつ子さん(五三)は「梅雨が終わりに近づき、さあこれからという時に…」と肩を落とした。
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国道136号崩壊・迂回路周知徹底図る・県伊豆2市2町と対策協議
伊豆市土肥の国道136号が地滑りで崩壊した災害を受け、県と西伊豆地域の二市二町は二十六日、伊豆市役所土肥支所で情報交換会を開き、今後の対応策などを協議した。地滑りの現状について県沼津土木事務所の職員が報告。道路を挟み、長さ約百?、幅約四十?、体積約二万立方?に及ぶ土砂が二十六日現在も一時間に六?のペースで滑り続けているという。復旧策については分断された道路間に仮橋を設置し、交通路の確保を早急に目指すと説明した。
崩壊した国道は伊豆市修善寺方面と土肥をつなぐ観光の動脈路。夏の行楽シーズンを迎え、観光への被害を最小限に食い止めるために道路上の立て看板やホームページなどを通じ、迂回(うかい)路の周知徹底を図るよう申し合わせた。
観光関係者からは「伊豆の新しい魅力を発掘してもらうチャンス」と前向きな意見も聞かれた。現在のところ、宿泊予約のキャンセルはほとんどないという。(静新平成19年7月27日(金)朝刊)
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