「しらせ」最後の南極接岸果たす
【昭和基地26日南極観測同行記者】日本の南極観測を二十五年間支えた観測船「しらせ」(品川隆艦長)は二十六日未明、昭和基地近くに接岸し、最後の往路航海を無事終えた。
しらせは先月十四日に東京・晴海埠頭(ふとう)を出港。今月三日に第四十九次南極地域観測隊(伊村智隊長)を乗せてオーストラリア・ブリマントルを出発した。
最後の航海で、定着氷での砕氷行動(チャージング)は千四百五十三回。世界でも高水準の砕氷能力を誇るしらせの接岸は、この二十五年間で二十四度目となる。
しらせは今後、観測支援や物資輸送を行い、来年二月中旬に昭和基地を離岸する予定。
品川艦長は「まずは接岸できてほっとしている。ここで一区切りだが、次の荷下ろしを確実に行いたい」と話した。
(静新平成19年12月27日(木)朝刊)
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4月の進水へ、南極観測船「しらせ」の船体部分ほぼ完成


船体部分がほぼ完成した新しい南極観測船「しらせ」(手前が船尾、京都府舞鶴市の造船所で) 京都府舞鶴市のユニバーサル造船舞鶴事業所で建造中の新しい南極観測船「しらせ」の船体部分が、ほぼ完成した。

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 来年4月の進水に向け、年明けからは上部構造の設置が始まる。

 来年8月に引退する「しらせ」の名を引き継ぐ新船は、全長138メートル、最大幅28メートル、基準排水量は約1万2500トンと、現在の船よりやや大きめ。船首の両舷20か所から海水を放出する装置で氷海での航行性能を向上させる。

 南極への初航海は2009年11月の予定。建造プロジェクトの責任者を務める佃洋孝さん(51)は「完成まで気を引き締めていきたい」。

(2007年12月28日14時40分 読売新聞)