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【2月21日 AFP】緊急ニュースです―地球は死滅する太陽の熱で焼かれ、やがて太陽に飲み込まれてしまうでしょう。

 だが終末パーティーに全財産を投じるのはまだ早い。天文学者によると地球滅亡は76億年先だ。

「76億年後に地球滅亡」説は英国のオープン・アクセス誌「Astrophysics」(http://uk.arxiv.org/)に掲載された。

 英国南部のサセックス大学(University of Sussex)のロバート・スミス(Robert Smith)名誉顧問(天文学)はこれまで、太陽はエネルギーが枯渇するにつれ膨張して危険な「赤色巨星」となり、地球はぼろぼろになるものの完全な破壊は免れるだろうと考えていた。

 ところが、スミス氏がメキシコのグアナフアト大学(University of Guanajuato)のクラウス・ペーター・シュレーダー(Klaus-Peter Schroeder)氏とともに再度計算をしたところ、絶体絶命だということが分かった。

「太陽の希薄な外層大気は目に見えるよりもはるかに広範囲にわたっており、地球はその圏内を公転することになる」「この外層大気による引力で地球は軌道を外れて内側に引き寄せられ、最終的には太陽に飲み込まれて蒸発してしまう」(スミス氏)

 しかし地球上の生物はそれ以前に生きづらくなるだろう。今から10億年後、太陽が少しずつ膨張するにつれて海水が蒸発して大気中の水蒸気(強力な温室効果ガス)が増大し、地球温暖化が急激に進むからだ。

 この結末から逃れる方法としてスミス氏は、SF的なことは認めつつ、2つの選択肢を提案している。

 1つは、近くを通過する小惑星の引力を利用して地球を危険圏内から外に出す方法。6000年おきに地球を軽くひと突きするだけで、少なくとも50億年は寿命を延ばすことができる。ただし計算ミスにより太陽とこの小惑星を激突させない限りの話だが。

 そしてもう1つのより安全な方法は、太陽から逃れつつ、そのエネルギーを利用できるような距離を維持できる惑星間航行「救命ボート」を作ることだ。(c)AFP