エヌビーグループ2社の株78ー91%取得
オーナーに伴野氏
 パン、洋菓子製造販売のエヌビーグループ(本部・沼津市)は二十四日、創業家などが所有していたグループ二社の発行済み株式の78ー91%を、農薬製造販売のトモノアグリカ社長を務めた伴野隆一郎氏が取得し、オーナーが交代したことを明らかにした。
 

エヌビーエス(平成十九年七月期の売上高約二十六億円)、フレッシュベーカリー事業のバンデロール(同約四十六億円)など三社(いずれも峯田昌知社長)は従来通り事業を継続する。経営陣も変わらず、峯田氏が引き続き代表権を持ち、従業員は継続して雇用される。
 創業者一族の杉山家などが所有していた株式を二十三日、伴野氏個人が買い取った。エヌビーエスの発行済み株式の約91%、バンデロールは約78%で、取得額は非公表。
 エヌビーエスは昭和二十四年に沼津市で創業。二十九年にヌマヅベーカリー、平成十一年から現社名となった。昨年八月に不採算部門だったスーパーへの卸販売からの撤退など事業を再編した。
九月の定時株主総会で創業家が経営から退いた。峯田社長は株式の売却について「激変する経営環境に対応する、新しい経営スタイルのかじ取りが必要だと創業家が判断したと考えている」と話した。
 伴野氏は静岡市出身。平成十三年十一月から農業化学企業「シンジェンタジャパン」(東京都)の会長。
峯田社長は「農業ビジネスに求められる安心、安全、健康などは食品業界でも重要なテーマ。伴野氏から専門的な指導を得て、品質や衛生管理の体制整備、商品の差別化などにつなげたい」と述べた。
(静新平成20年4月25日(金)朝刊)

エヌビー、経営権を譲渡・元静岡同友会代表の伴野氏に(日経中部)
 静岡県内の有力パンメーカー、エヌビーグループ(沼津市、峯田昌知社長)が、元静岡経済同友会代表幹事の伴野隆一郎氏による企業買収に応じたことが24日、明らかになった。小麦など原材料価格の高騰などで製造部門は業績不振が続く。買収をきっかけに販売事業を強化するなど事業再編を進め、生き残りを図る。

 伴野氏がエヌビー創業者から、グループ会社でパン店を展開する「バンデロール」の株式78.9%と、パン製造会社「エヌビーエス」の91.5%を23日付で譲り受けた。買収金額は未公表。社長は引き続き峯田氏が務める。

 エヌビーは「のっぽパン」などのロングセラー商品を持ち、県内で人気の高いパンメーカー。

 今回の株式譲渡によりエヌビーは販売事業に集中する。大手メーカーとの競合で低迷していたエヌビーエスはすでにグループ外との取引を中止。出荷先をバンデロール1社に絞った。利益率の悪い取引からの撤退でグループの経常損益は2007年7月期の6600万円の赤字から、今期は1億5000万円の黒字に転換する見通し。