大丸・アサヒ社「浜松出店協定書白紙に」

地権者交渉:大林組が引き継ぎ

 浜松市中心街への百貨店「大丸」の出店に向け、出店条件に関する基本協定を結んでいた大丸と事業主体のアサヒコーポレーション(浜松市、アサヒ社)が今月中に同協定書を白紙撤回することが十九日、分かった。大丸は出店の意欲は変わらないとしている。大手ゼネコン「大林組」(東京)が地権者交渉などを引き継ぎ、出店のめどが付けば、再度、大丸と今後決める開発事業者の間で協定書を締結することになる。
 大丸とアサヒ社は昨年八月、工事スケジュール、賃料などについて定める基本協定を交わした。アサヒ社は大丸出店に向け、地権者と交渉を進めてきたが、開発手法をめぐる考えの相違などから、地権者の合意を取りつけることができず、出店時期のめどが立たないままだ。建設費が高騰し、基本協定書に盛り込んだ賃料などの経済的条件では事業の採算が合わなくなったことも影響した。
 大林組はアサヒ社から地権者交渉などを引き継ぐ。大林組の関係者は「地権者の了解を得る必要がある。事業を再構築し、出店時期を決めていきたい」としている。
 アサヒ社は二〇〇三年十二月、松菱跡再生事業の開発コンペで商業施設建設を提案し、開発業者に選ばれた。当初は大手生活雑貨専門店「ロフト」(東京)を核とする商業施設案を提案していた。アサヒ社は現在、予定地全体約六千八百平方?のうち約六千百平方?を所有している。大林組はこれまで、事業協力者として設計面などで支援をしてきた。
(静新平成20年9月20日(土)朝刊)