「夢の超特急」0系引退
 博多駅に最終列車
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 一九六四年にデビューし、「夢の超特急」と呼ばれた初代新幹線「0系」が三十日、こだま659号として定期運転を終え、四十四年の歴史に幕を下ろした。最終列車が出た岡山駅には約二千人、終点の博多駅には約千人の鉄道ファンらが詰め掛けた。
 早朝から二百四十八席の自由席を求めファンが殺到、約百人が警備に当たった岡山駅。午後二時五十一分の発車に先立つセレモニーでは、運転士と車掌に花束が手渡され、JR西日本の岡山支社長らがテープカット。駅長の合図で最終列車がゆっくり動きだすと、「いつか帰ってきてね」と大きな拍手がわいた。
 約三時間半かけて、定時より三分遅れの午後六時二十四分、博多駅に到着。停止した瞬間、ファンらが「お疲れさま」と拍手で労をねぎらった。終了式典後、博多総合車両所へ回送。ホームの人たちは手を振って最後の雄姿を見送った。
 0系は東京五輪開幕九日前の六四年十月一日、東海道新幹線の開業とともに登場。高度経済成長期の象徴となった。
(静新平成20年12月1日(月)朝刊)