「山口源大賞」に星野(東京)さん
 リトグラフ新技法で表現
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 沼津市は24日、国内で発表された優れた版画作品に贈る「山口源大賞」に、版画家の星野美智子さん(75)=東京都杉並区=の「記憶する薔薇(ばら)?探索の旅」を選んだと発表した。
 作品は縦70?、横100?。水を使わない新たな技法のリトグラフで、「比喩(ひゆ)に満ちたアルゼンチンの詩人ボルヘスの世界観を表現した」という。
 審査員からは「新技法を用い、意欲的な制作活動に取り組んでいる」などと評価を得た。星野さんは「選んだ道をマイペースで歩んできたが、客観的な評価を受け、とても光栄です」と話している。作品は市庄司美術館(モンミュゼ沼津)で7月10日から8月2日まで展示される。
 版画家山口源(1896?1976年)は妻の故郷がある同市江浦に疎開したのを機に定住。亡くなるまでの問、スイスの国際版画ビエンナーレで日本人初のグランプリを受賞するなど国際的版画家の地位を確立した。市は1983年に山口源大賞を創設し、2年に1度大賞を選定している。
(静新平成21年6月25日(木)朝刊)