平和願い「考える人」
岳南忠霊廟前 ロダンの模刻を除幕 富士
オーギュスト・ロダンの名作「考える人」を忠実に再現した模刻が富士市比奈の岳南忠霊廟前に設置され2日、同忠霊廟奉賛会の関係者や地元住民が参加して除幕式が行われた。
設置された「考える人」は1977年に当時の東京芸術大彫刻科の大学院生が習作として制作した。高さ1・8㍍。富士山をイメージした高さ1・4㍍の御影石の台座の上に立ち、富士山を背に駿河湾を向いている。
同奉賛会の斉藤斗志二理事長が、名作「考える人」を県に寄贈した父親で元理事長の故斉藤了英氏から預かり、設置場所を検討してきたという。斉藤理事長は「忠霊廟の前に置くことで戦争の悲惨さや平和の尊さをしっかり考える場にしてほしい。また、新たな名所にもなれば」と話した。
除幕は地元の幼稚園児が行い、桜が咲き始めた広場に模刻が現れると一斉に拍手が起きた。
遺族ら参列し 戦没者慰霊祭 富士
富士市の岳南忠霊廟奉賛会の慰霊祭が2日、同市比奈の同忠霊廟で行われた。遺族や地元住民が参列し、明治時代以降の地元出身戦没者の霊を慰めた。
地元の市立須津中吹奏楽部が演奏する鎮魂曲で始まり、同奉賛会の斉藤斗志二理事長が「今日の繁栄と平和は英霊の尊い犠牲のおかげ」と戦没者への哀悼と恒久平和を望む祭文を奉読した。続いて読経が流れる中、参列者が次々と焼香した。
忠霊廟は1958年3月、旧大昭和製紙社長の故斉藤知一郎氏が中心となって建立し、旧吉永、須津、原田、元吉原、浮島地区出身の936柱を祭っている。
(静新平成23年4月3日朝刊)