高尾山古墳協議会盆明け議論開始
沼津市の栗原裕康市長は21日の定例会見で、都市計画道路「沼津南一色線」予定地にある高尾山古墳(同市東熊堂)の発掘調査方法などを学識経験者を交えて検討する協議会の開催時期について「お盆明けには立ち上げたい」と話し、8月中~下旬から議論を始める意向を示した。国土交通省、県、文化庁に参加を求めていると述べ、「学識経験者の人選も進めている」と語った。
同古墳は3世紀前半の前方後方墳。市議会6月定例会で墳丘を取り壊す発掘調査費を盛り込んだ本年度一般会計補正予算が可決された。古墳の文化財としての価値の高さが強調された市議会での議論を受けて栗原市長は、古墳の保存と道路の建設の両立を目指して今後の方針を定める協議会の設置を決めた。
同古墳をめぐっては、地元自治会が市長に道路の早期完成を望む要望書を提出する一方、墳丘の現状維持を求める市民団体は勉強会や署名活動を行っている。
【静新平成27年7月22日(水)朝刊】
高尾山古墳問題で協議会
詳細は今後、市民傍聴も
栗原裕康市長は二十一日、市長定例記者会見で高尾山古墳の保存問題を扱う協議会の概要を説明。八月中旬には第1回を開催し、協議会が出した結論については「尊重するが、最終的には行政判断。私が判断する」とした。
この協議会は、六月三十日に古墳調査費を含む補正予算案が市議会で可決された直後、報道各社から取材を受ける中で栗原市長が開催を表明していた。その際、市長は調査の一時保留も明言している。
記者会見での説明によると、協議会開催については、県だけでなく、国土交通省や文化庁にも協力を依頼しているほか、「中立」の学識経験者の出席も予定されている。
学識経験者の人選は市が行うが、「中立」の定義について栗原市長は「大変難しい問題だ」とし、出席者として望ましい人物像については「過去の経緯を知っている人」を第一条件に挙げる一方、「何が何でも道路を造れ、何が何でも古墳を残せ、という人は困る」との考え方を示した。
開催形式の詳細については未定で、第1回で終わる可能性もあれば、複数回の可能性もあるという。協議会の終了スケジュールについては、「なるべく早く結論を得たい」とだけ述べた。
第1回については、傍聴という形で市民の参加を受け付けるという。
【沼朝平成27年7月22日(水)号】