沼津太鼓、黛敏郎氏オリジナル曲作曲「富士」「漣波」「松」「祭」発表会

「 黛敏郎氏にオリジナル曲作曲依頼・沼津太鼓育成保存会

・・・・・・その黛氏に沼津太鼓のオリジナル曲作曲を依頼したのは四十七年ごろ。黛氏は快く引き受け、曲に沼津の四季を織り込むために春夏秋冬、四回にわたり来沼。名所旧跡を回って「富士」「漣波(さざなみ)」「松」「祭」の四曲からなる組曲を完成させた。

 大木さんは「作曲は二年がかりで、何度か会いに行って催促したこともあった。三曲程作ってほしいと依頼したところ、『祭があって太鼓がある』と言って、四曲を作ってくれた。太鼓の音というのは単調だが、メロディーになるように音を構成し、楽譜も書いてくれた。中でも『富士』は素晴らしい曲。『富士』を中心に太鼓曲でストーリーが描かれていて、よくやってくれたと思う」と話す。

 この曲は、太鼓九台と鉦、拍子木、ひょうたんなどの楽器を使う難しい曲だったが、練習を重ねて音を完成させ、黛氏を沼津に招き、一小、二小の五、六年生にも参加してもらい発表会を開き、黛氏の感想も聴いた。

 演奏を聴いた当時の井手敏彦市長(故人)に、「練習場に困っている。なんとかならないか」と相談したところ、「素晴らしい取り組み」だとして、「御用邸の御文庫で練習したらどうか」と提案を受け、御文庫の建物を練習場所として借りられることとなり、御用邸での練習を開始した。・・・・・・・・

(沼朝平成2911日元旦号より)」

発表会記念集合写真 昭和52年11月4日
2013年10月12日11時49分52秒0001