客船「スカンジナビア」沈没1年
沼津・「きょう住民“しのぶ会”」・海中の姿を上映資料展示も
欧州で客船として活躍後、沼津市西浦木負に係留され海上ホテル、レストランとして親しまれた「スカンジナビア」が修復のため上海へえい航される途中、和歌山県串本町沖で沈没して二日で丸一年。かつての係留地には、いまだに失われた船を懐かしむ人の姿がある。
敷地内から望むスカンジナビアと富士山の風景が人気だった喫茶店「海のステージ」。経営者で船の現地保存を働き掛けた「スカンジナビア号を保存する会」の事務局長を務めた前島希久也さん(六八)は二月、船の遺品を集めて店の一角に"資料館"を整備した。オープン以降、千人以上が訪れたという。
一日には一周年に合わせ、英国やオーストリアの合同チームが五月に撮影に成功した海中に沈むスカンジナビアの映像を店内で上映する。スカンジナビアが二日午前二時三分に沈んだことから、上映会は十二時間前の午後二時三分から行う。
マストが折れ、ブリッジ部分やシンボルだった中央部の煙突も失われた船の姿を映像で見た元スカンジナビア支配人の安楽博忠さん(六七)=伊豆の国市=は「在りし日の美しい姿とのギャップがつらい。現実ではないように思える」と悲しむ。
地元の連合自治会西浦コミュニティ推進委員会は一日午後から二日にかけ、スカンジナビアのマスト灯や航海日誌などを紹介する展覧会を同地区センターで開く。展示品は資料館から借り受けたほか、地域に呼び掛けて集めた。甲田悦隆事務局長は「地域として何かやろうという話になった。三十年以上もここにあった船ですから、皆忘れられないんです」と話す。(静新平成19年9月1日(土)朝刊)
海底のスカンジナビアの姿・あす出航1周年記念事業で公開
西浦木負の喫茶店・海のステージ(前島希久也代表)は、「伝説への航海(たびだち)」一周年記念事業を、あす九月一日午後二時三分から店内のステラポラリス資料館で開く。
スカンジナビア号(ステラポラリス号)は、昨年八月三十一日に木負を出航し、改修のため上海に向けて曳航されていたが、九月二日午前二時三分、和歌山県沖約三?の海底七十二?に沈没した。
記念事業では、出航から海底に沈んだ現在の様子までを撮影した写真と映像を公開する。
写真と映像は、国際的なテクニカルダイビングチーム「アクアティック・インナースペース」の水中ダイバー、アクセル・ショーラー、ダン・バートン両氏が撮影したもので、同チームの日本窓口を務める並川桂子さんが会場を訪れて上映する。
同資料館名誉会長の安楽博忠さんが映像の解説を行い、引き続き、千野慎一郎市議が「ステラポラリスの生まれ故郷『ベルゲン』を訪ねて」、チャーターヨットAmiの溜光男船長が「串本沖スカンジナビア号献花」をテーマに話す。
会場では、京都府在住の作詞作曲家、うえすぎじゅんさんが作詞して提供した「もう一度あなたにあいたい『スカンジナビア号』」の歌詞を披露し、この詞に合う作曲の募集も行う。
会費はドリンクとケーキ付きで千円。参加申込みはFAX(九四六ー二八〇一)で受け付け。
問い合わせは同店(電話九四六-二八〇〇)。(沼朝平成19年8月31日号)
沼津・「きょう住民“しのぶ会”」・海中の姿を上映資料展示も
欧州で客船として活躍後、沼津市西浦木負に係留され海上ホテル、レストランとして親しまれた「スカンジナビア」が修復のため上海へえい航される途中、和歌山県串本町沖で沈没して二日で丸一年。かつての係留地には、いまだに失われた船を懐かしむ人の姿がある。
敷地内から望むスカンジナビアと富士山の風景が人気だった喫茶店「海のステージ」。経営者で船の現地保存を働き掛けた「スカンジナビア号を保存する会」の事務局長を務めた前島希久也さん(六八)は二月、船の遺品を集めて店の一角に"資料館"を整備した。オープン以降、千人以上が訪れたという。
一日には一周年に合わせ、英国やオーストリアの合同チームが五月に撮影に成功した海中に沈むスカンジナビアの映像を店内で上映する。スカンジナビアが二日午前二時三分に沈んだことから、上映会は十二時間前の午後二時三分から行う。
マストが折れ、ブリッジ部分やシンボルだった中央部の煙突も失われた船の姿を映像で見た元スカンジナビア支配人の安楽博忠さん(六七)=伊豆の国市=は「在りし日の美しい姿とのギャップがつらい。現実ではないように思える」と悲しむ。
地元の連合自治会西浦コミュニティ推進委員会は一日午後から二日にかけ、スカンジナビアのマスト灯や航海日誌などを紹介する展覧会を同地区センターで開く。展示品は資料館から借り受けたほか、地域に呼び掛けて集めた。甲田悦隆事務局長は「地域として何かやろうという話になった。三十年以上もここにあった船ですから、皆忘れられないんです」と話す。(静新平成19年9月1日(土)朝刊)
海底のスカンジナビアの姿・あす出航1周年記念事業で公開
西浦木負の喫茶店・海のステージ(前島希久也代表)は、「伝説への航海(たびだち)」一周年記念事業を、あす九月一日午後二時三分から店内のステラポラリス資料館で開く。
スカンジナビア号(ステラポラリス号)は、昨年八月三十一日に木負を出航し、改修のため上海に向けて曳航されていたが、九月二日午前二時三分、和歌山県沖約三?の海底七十二?に沈没した。
記念事業では、出航から海底に沈んだ現在の様子までを撮影した写真と映像を公開する。
写真と映像は、国際的なテクニカルダイビングチーム「アクアティック・インナースペース」の水中ダイバー、アクセル・ショーラー、ダン・バートン両氏が撮影したもので、同チームの日本窓口を務める並川桂子さんが会場を訪れて上映する。
同資料館名誉会長の安楽博忠さんが映像の解説を行い、引き続き、千野慎一郎市議が「ステラポラリスの生まれ故郷『ベルゲン』を訪ねて」、チャーターヨットAmiの溜光男船長が「串本沖スカンジナビア号献花」をテーマに話す。
会場では、京都府在住の作詞作曲家、うえすぎじゅんさんが作詞して提供した「もう一度あなたにあいたい『スカンジナビア号』」の歌詞を披露し、この詞に合う作曲の募集も行う。
会費はドリンクとケーキ付きで千円。参加申込みはFAX(九四六ー二八〇一)で受け付け。
問い合わせは同店(電話九四六-二八〇〇)。(沼朝平成19年8月31日号)