新型インフル:ウイルス13年前に存在?
三島遺伝研が推定
新型インフルエンザウイルスは、十三年前には既に存在していた可能性があるとの.研究を、三島市の国立遺伝学研究所の五條堀孝教授(分子進化学)、小林由紀研究員らのチームが二十七日、遺伝子データの分析からまとめた。
計八本あるウイルス遺伝子のうち、感染に重要な働きをする「ヘマグルチニン(HA)」に着目して進化の経路をたどったところ、北米の豚のウイルスから分岐した時期が一九九六年ごろと分かった。ほかの七本の代表的な遺伝子について分析した結果でも、ほぼ同様の結果が得られた。ただし推定には二年程度の誤差があるという。
五條堀教授は「分岐した時期は意外に古く、新型ウイルスは以前から存在していたという結果が得られた。満を持して人に感染したと言えるのではないか」としている。
インフルエンザウイルスは豚や鳥、人のウイルスの遺伝子が混じり合い、人で流行する新型が現れるとされる。今回の分析でも鳥と豚、人のウイルス遺伝子の交雑が複数回起きたという結果が得られ、最近発表された米国の研究を裏付けた。
(静新平成21年5月28日(木)朝刊)
三島遺伝研が推定
新型インフルエンザウイルスは、十三年前には既に存在していた可能性があるとの.研究を、三島市の国立遺伝学研究所の五條堀孝教授(分子進化学)、小林由紀研究員らのチームが二十七日、遺伝子データの分析からまとめた。
計八本あるウイルス遺伝子のうち、感染に重要な働きをする「ヘマグルチニン(HA)」に着目して進化の経路をたどったところ、北米の豚のウイルスから分岐した時期が一九九六年ごろと分かった。ほかの七本の代表的な遺伝子について分析した結果でも、ほぼ同様の結果が得られた。ただし推定には二年程度の誤差があるという。
五條堀教授は「分岐した時期は意外に古く、新型ウイルスは以前から存在していたという結果が得られた。満を持して人に感染したと言えるのではないか」としている。
インフルエンザウイルスは豚や鳥、人のウイルスの遺伝子が混じり合い、人で流行する新型が現れるとされる。今回の分析でも鳥と豚、人のウイルス遺伝子の交雑が複数回起きたという結果が得られ、最近発表された米国の研究を裏付けた。
(静新平成21年5月28日(木)朝刊)