元社長に懲役10月求刑
大富運輸脱税静岡地裁公判
社に罰金1600万円
沼津市の運送会社「大富運輸」が不良債権で赤字に陥ったように装い、約6億4千万円の所得を隠して脱税したとして、法人税法違反の罪に問われた同社と同社元社長で無職大木理久夫被告(67)=同市=の初公判が24日、静岡地裁(引馬満理子裁判官)で開かれた。
大木被告らは起訴内容を認めた。公判は即日結審し、検察側は同社に罰金1600万円、大木被告に懲役10月を求刑した。
冒頭陳述で検察側は、犯行の動機について「燃料価格の高騰などから、会社の経営に危機感を持ったため」と指摘した。論告では「同族企業維持のために行った犯行であり悪質。厳罰が必要である」と訴えた。
弁護側は「手口は複雑かつ巧妙なものではなく、単純。強固な脱税意識を持っていたとは言えない」として、大木被告の執行猶予を求めた。
起訴状などによると、大木被告らは、関連会社の船舶会社に貸し付けていた約6億4千万円の債権を1万円で譲渡したように操作し、2008年3月期決算で全額を損失と計上した。ほかの黒字分と合わせて、同社の所得を圧縮し、法人税約5480万円を免れたとされる。
(静新平成21年12月25日朝刊)
沼津の会社と元社長を起訴
脱税容疑で静岡地検
不良債権で赤字に陥ったように装い、約6億4千万円の所得を隠して脱税したとして、名古屋国税局から法人税法違反容疑で告発を受けていた沼津市の運送会社「大富運輸」と大木理久夫元社長(67)について、静岡地検は同法違反の罪で静岡地裁に在宅起訴していたことが21日、分かった。
同地検などによると、大富運輸は関連会社の船舶会社に貸し付けていた約6億4千万円の債権を、1万円で譲渡したように操作し、2008年3月期決算で全額を損失として計上。ほかの黒字分と合わせて、同社の所得を圧縮し、法人税約5480万円を免れたとされる。
大木元社長は既に社長を退任していたが、同地検は実質的な経営者として業務全般を統括していをと判断した。
(静新平成21年11月21日夕刊)
6億4千万円所得隠し 沼津の運送会社(大富運輸) 元社長(大木理久夫)告発
06/10 15:08(静新webnews)
沼津市の運送会社が不良債権で赤字に陥ったように装い、約6億4000万円の所得を隠して脱税したとして、名古屋国税局が法人税法違反容疑で、同社と元社長(67)を静岡地検に告発したことが10日、分かった。同社はすでに修正申告しているが、「詳細は元社長にしか分からない」としている。
同社や税務関係者によると、この運送会社は関連会社に貸し付けていた約6億4000万円の債権を、この会社に1万円で譲渡したことにして、2008年3月期決算では全額を損失として計上。ほかの黒字分などと合わせ最終的に約3億4000万円の赤字になったように装い、脱税したとされる。
同社関係者によると、元社長は当時役員を退任していたが、実質的な経営者で、国税局は元社長が今回の経理を主導したと判断したもようだ。
民間信用調査会社によると、同社は1957年設立。運送のほかにクレーン建設業などもしており、08年3月期の売上高は27億5300万円だった。