「汚泥不法投棄 社長を逮捕」
処理法違反容疑を否認
「部下が勝手に」 沼津署など
沼津市の環境技術会社「地球環境秀明」の社員らが油を含む大量の汚泥を下水に不法投棄したとされる事件で、沼津署と県警生活環境課は11日、廃棄物処理法違反の疑いで沼津市原354の1、同社社長高嶋康豪容疑者(58)を逮捕した。
逮捕容疑は、社員の富田広信容疑者(60)ら3人=いずれも同容疑で逮捕・送検=と共謀して、昨年5月28日から6月25日までの間、3回にわたり、産業廃棄物の油を含む汚泥を清水町の同社営業所敷地内にある公共汚水槽に不法投棄した疑い。
高嶋容疑者は11日正午ごろ、弁護士とともに同署に出頭した。同署によると、「流したとすれば、部下が勝手にやった」と容疑を否認しているという。
同署などは社長の指示の下、不法投棄していた可能性が高いとみて高嶋容疑者の逮捕状を取って、行方を追うとともに、弁護士を通じて出頭を呼び掛けていた。
また、11日までの調べで、逮捕された3人のうち、否認を続けていた富田容疑者は容疑を認め「会社の方針でやった」と高嶋容疑者の指示があったことをほのめかす供述を始めたという。
高嶋容疑者は、創業200年を誇る沼津市内の老舗酒造会社の元当主で、地元の名士として強い影響力を持っていた。高嶋開発工学総合研究所を設立して、日本酒造りで得た発酵技術の研究を進め、1999年に設立した「地球環境秀明」では、複合的な微生物の働きを活用した「複合発酵技術」を利用したバイオリサイクルトイレや排水浄化処理装置などを開発・販売していた。
(静新平成22年2月12日朝刊)