JR貨物社長会談受け見解示す
JR貨物の小林正明社長は14日の定例記者会見で、JR沼津駅周辺の鉄道高架事業をめぐって川勝平太知事が唱えた沼津貨物駅不要論に関し、「知事は(高架化と沼津貨物駅の代替整備の)両方が成り立つ案を模索するという姿勢に変わっている。もう不要論はないと思う」と述べ、貨物駅の必要性が理解されたとの見解を示した。
知事と3月30日に行った会談では、沼津貨物駅の役割などについて詳しく説明したとし、知事が不要論を展開することはなかったという。小林社長は会見で「知事は鉄道貨物を幅広く勉強されているし、今回の説明でさらに理解を深めていただけた。面会が実現して良かった」と語った。
ただ、原地区の新貨物駅用地の強制収用問題に関しては「(会談で)『大変ですね』とは申し上げたが、(原地区への)移転をあきらめたということではない。高架化事業の主体はあくまでも県で、われわれがどうこう言う立場にはない」と述べるにとどめた。
会見では、沼津貨物駅が旅客電車を含めたダイヤ調整の主要拠点となっているとも指摘。上下線で計5本の引き込み線があることに触れた上で「仮に貨物駅がなくなるとしたら、同等もしくはそれ以上のものを確保しないといけない」とし、移転先には一定のスペースが必要だとの認識を示した。
(静新平成22年4月15日(木)朝刊)