市職員が業務上横領
手数料など着服し懲戒免職
市は二十二日、内村博隆企画部長、大竹薫市民福祉部長らによる記者会見を開き、浮島市民窓口事務所の所長を務めていた男性職員(59)を地方公務員法に基づき、同日に懲戒免職処分にしたことを発表した。
市によると、男性職員は平成二十年四月から二十二年三月まで勤務していた愛鷹、同年四月から今月まで勤務していた浮島の両市民窓口事務所で住民票などの発行手数料の一部を着服していた。
市が把握する着服総額は三百二十三万七千七百円。二十年度の愛鷹事務所手数料収入のうち約一二%、二十一年度の同事務所手数料収入の約三〇%、二十二年度の浮島事務所手数料収入の約五九%が横領されたと見られる。職員は既に全額を返還している。
市の事情聴取に対し、同職員は動機を「分からない」と答え、特に生活にも困っていなかった、という。着服した大半は自宅に保管されており、残りは小遣い銭などとして使っていたと見られる。
横領発覚の発端は、二十二年度決算のための調査で、浮島事務所で五十円の帳尻が合わなかったこと。このため、今月九日に市民課長が同事務所を訪れ調査。また十一日には同職員の不在時に調査したところ、レジ端末を操作して入金記録を削除していたほか、書類を不正に扱い着服分を隠していたことなどが判明。十三日に本庁で事情聴取し、はじめは関与を否認していたが、翌日、妻を伴って人事課に出頭し、横領の事実を認めた。
五十円の異常が見つかるまで、浮島事務所の手数料収入の激減について、関係部署では特に問題視していなかったという。
市は、男性職員が当初は否認したことや、社会的影響の大きさなどを考慮し、業務上横領などで沼津署に刑事告訴する準備を進めるほか、監督責任として、大竹部長と長澤利之市民課長を戒告処分とした。
会見では横領の経過説明のほか、栗原裕康市長による「市民や関係者に深くお詫びするとともに、第三者の意見を取り入れ、再発防止に取り組む」などの声明が内村部長によって読み上げられた。
再発防止策については、同職員がレジを数千回にわたって不正操作していたことから、今後は操作記録をチェックし異常な操作があった場合には調査すること、浮島事務所は同職員とアルバイト職員の二人体制で監視機能が弱かったことから、日常的に本庁職員が回り、チェックを強化することなどが挙げられた。
【沼朝平成23年6月23日(木)号】