沼津駅高架の完成時期 平成30年代半ば目標
県議会部長答弁
地権者らの反対で貨物駅移転問題が焦点となっているJR沼津駅周辺鉄道高架事業について、森山誠二県交通基盤部長は28日の県議会9月定例会代表質問で、「(平成)30年代半ばの完成を目指して東部地域の活性化に寄与したい」と述べ、完成時期の目標を示した。川勝平太知事が昨年1月、貨物駅移転用地の強制収用をしない方針を表明して以降、県が高架事業完成の目標時期に言及したのは初めて。公明党県議団の蓮池章平氏(沼津市)に答弁した。
県は高架事業を検証した有識者会議の提言を踏まえ、市民参加型の合意形成手法「パブリック・インボルブメント(PI)」の導入を決定。森山部長は答弁で「まず徹底した合意形成を行う」と強調し、「事業の完成時期は一概に言えないが、PIによる合意形成、鉄道事業者との協議、その後に高架化事業着手となる」と説明した。
高架事業は、土地区画整理事業や東部コンベンションセンター整備などを含む沼津駅周辺総合整備事業の核。川勝知事もこの日の蓮池氏への答弁で「沼津駅周辺の交通混雑や南北方向の市街地の分断など課題を抜本的に解消し、新たに生まれる土地の有効活用を図る」として意義を強調した。
高架事業推進については、「これまで時間が止まったような状態だったが、動き始めた。前に向けて時間管理という考え方を入れ込み、着実に推進する」とした。
森山部長は設計中の東部コンベンションセンターについて、「県の会議場、市の展示イベント施設、民間のホテルから成る全国でも数少ない総合的コンベンション施設」と指摘。県と市の施設の一体的利用に配慮するとともに、管理運営は指定管理者制度導入を前提に同一の指定管理者とする方針を明らかにした。
【静新平成23年9月29日(木)朝刊】