コンパクトシティー
国民の理解広がらず
国は人口減少時代に対応した新しい街づくりを進めようとしています。
Qどんな街ですか。
Aコンパクトシティーという言葉を聞いたことがあるでしょうか。役所や病院、スーパー、住宅といった暮らしに必要な施設を駅前などに集め、公共交通を充実させて、マイカーに頼らずに暮らせる街にしようというアイデアです。
Q小さくまとまるということですか。
Aそうです。街が郊外に広がって、中心部が空洞化している地方都雨が目立ちます。この状態で人口が減り、広い範囲に人が散らばって住むことになると、車に乗れない人は買い物にも困ってしまいます。道路や上下水道の維持、ごみ収集などの行政サービスの効率も悪くなります。
Q実現すれば人口が増えますか。
A増やすというより、人口減少時代に見合った住み方に変えようという発想です。ただ保育園や学校もある便利な街になれば、子育て世代も集まるでしょう。
Qうまくいくでしょうか。
A実はコンパクトシティーという考え方は目新しいものではなく、国は2000年代以降、規制緩和や税制優遇などで中心部集約を後押ししてきました。実現を目指した都市もありますが、路面電車をうまく生かした富山市のように成功例とされる地域は少数です。
Q何が問題なのでしょう。
A何より国民の理解が広がっていません。内閣府の8月の世論調査では、64%がコンパクトシティーに反対だと答えました。街づくりの方向性を転換するには、より広い議論が必要です。
(静新平成26年11月26日夕刊「Q&A地方創生」)