沼津市長は「小脳出血」
入院期間約3週間 職務代理置かない方針
沼津市は19日、記者会見を開き、体調を崩して市内の病院に入院中の大沼明穂市長の病名を「小脳出血」と公表した。入院期間は約3週間の見通し。普段通りの会話は可能で、市長の職務代理を置かない方針を示した。
市長と病院で面会した後藤克裕企画部長が会見に臨んだ。「ベッドで安静にしている状態だが、会話や意思決定は普段通りで判断を仰げる様子。主治医からは手術の必要はないとの説明だった」と話した。リハビリを要する場合は入院期間の延長もあるという。
2月1日に予定されていた2017年度当初予算案の発表については、延期との見通しを説明。当初予算案を審議する市議会2月定例会も「(当初計画より)開会日を遅らせることも含めて議会と相談する」とし、計画が変更される可能性を示唆した。ただ、「現状では年度内に予算を成立できると思っている」と述べた。
大沼市長が就任したのは16年11月。今月17日夜に公務中に不調を訴えて、市内の病院に入院した。後藤部長は「これまでに兆候はなく、休みがないほど公務をこなしてきた」と語った。
大沼市長、緊急入院も
病状は安定し病室から指示
大沼明穂市長は十七日夜、小脳出血により市内の病院に入院した。意識はあり、入院先で市幹部などと面談している。入院期間は三週間程度で、その後の状況によってはリハビリのため、入院期間が延長される可能性もあるという。手術の予定はない。
同日の市長は午後六時半に市内団体の会合に出席した後、七時から市主催の「沼津市の目指すべき将来の公共施設等の姿を語る会」に参加する予定だったが、会合を退席する際に体調が急変し、病院に向かったという。
市は十九日、臨時会見を開き、企画部の後藤克裕部長が市長の病状と今後の公務について説明した。
現在、市長はベッドで安静にしているものの、これまでと変わらぬ状態で会話が可能。「予算編成の事務的部分を進めてほしい」などと市政に関する指示を出しているという。このため、市では職務代理者を置かずに対応する。
市長入院のため、二月上旬に予定されていた来年度予算案の発表は延期される。また、同月十日開会予定の市議会二月定例会については、開会日の延期が必要になる可能性もあり、議会側と調整が行われている。
◇
昨年十月三十日の市長選の翌日に行われた当選証書付与式で、市選管の杉本喜三郎委員長が「市長の職は激務。心身の健康に留意してください」と、当選を果たしたばかりの大沼市長に声をかけた。
この言葉の通り市長職は激務で、休日も式典参列などの公務が続く。
市が発表している公務状況によると、先週の市長は八日(日曜)の午前は市内の成人式に出席、午後は新成人議会で答弁に立った。九日(成人の日)は消防出初式など二件。十五日(日曜)も立て続けに二件出席している。
このほか、市長は慣例として市内各種団体の新年会などの会合に招かれることになっていて、公表されているものだけでも、八日から十七日の十日閥に十一の会合出席スケジュールが組まれていた。これらの大半は平日の夜間だった。
これに加えて、現在は来年度予算編成のために市議会などと水面下での折衝が続いていた。市長は周囲に対し「今の状況は四面楚歌ならぬ八面楚歌。でも、頑張るしかない」などと心情を漏らすこともあったという。
【沼朝平成29年1月20日(金)号】