岡宮地区 肝いり新道路が逆効果?「想定外の渋滞で対応が課題に」
開通当初より緩和したが・周辺道路に影響が拡散

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都市計画道路沼津南一色線(沼津市大手町-長泉町南一色)と三枚橋岡宮線(学園通り)の一部暫定供用が始まったが、八月三十一日午後一時の開通直後から渋滞が発生するとともに市道路建設課で苦情の電話が鳴り始めた。渋滞解消を図るための道路建設が、逆効果を招くという皮肉な現象となり、市当局などの予測の甘さに非難の声が上がっている。
交通渋滞が増したのは、学園通り、主要地方道三島富士線(根方街道)、県道足高三枚橋線が交差する宮下交差点。東海道新幹線の高架橋脚も絡み複雑な道路形態となっている。
渋滞が顕著な道路は東名インターチェンジ方面から東高の西を走って同交差点に出る足高三枚橋線。新たな道路供用によって、この路線の東進信号待ち時間が増大したため、ひどい時には車両が東高付近まで約七〇〇?連なるようになった。
また、国道二四六号方面からの車両が沼津インターチェンジ南交差点で、ぐるめ街道をまたいで西進、宮下交差点を経由して、さらに南側の国道一号共栄町交差点に至り、ここを右折する車両が多いため、宮下交差点と共栄町交差点間が以前にも増して渋滞するように。
開通当日、東高から宮下交差点を経由して共栄町交差点まで四十分掛かった車も。センターラインの移動、車線幅の変更、停止線の移動、時差信号など多くの改良点が指摘される中、市道路建設課では「それらの点も検討課題」と話す。
宮下交差点近くに住む男性によれば、四年程前、地元選出の市議から根方街道東進車が同交差点で右折できなくなると聞き、「生活者にとっては重大事」と、三枚橋岡宮線道路改良事業対策委員会が立ち上がった、という。
岡宮地区七町内から、それぞれ二人の委員が選出され、地元選出県議、市議を顧問に道路のあるべき姿を話し合い、渋滞緩和のための道路拡幅案なども出たが、日の目を見なかった。
一方、学園通りの同交差点北方面への延長は、「沼津の北の背骨となる道路」と市から協力を求められたというが、新幹線北側に住む人々が南下する生活道路の検討はされなかったのか疑問が残る。
東高南側に住む男性は「検討はされただろうが、この地区は逃げ場がない。市当局も住民も、このような事態を招くとは想像もしなかったのではないか。開通当初に比べれば緩和したが、通勤時間帯は特に混む」と同交差点回避を話す。開通直後の学園通りは、北進する車両が市立高前辺りから渋滞し出した。
前出の男性は「宮下交差点が渋滞したら、通過車両は次から他の道路に変えればいいが、我々住民にとっては死活問題」だと憤る。また、市の説明では「南進車は同交差点で根方街道への右折はできない」としたはずが朝令暮改。実際は、車両は右折できる状況となっている。
市道路建設課の植田米夫課長は「渋滞は予想を超えた」と、暫定供用の交通量予測の難しさに理解を求め、渋滞解消策については「県や警察などと協議し、一日も早く渋滞緩和に努めたい」と話す。
沼津南一色線と学園通りが宮下交差点北約五〇〇?で立体交差となり道路勾配が大きくなったことから、自転車通学のグループの一人は、「坂がきつくなって大変」と、新道路開通による影響を指摘。
影響は路線バスにも。沼津駅ー学園通りー宮下交差点ー県道足高三枚橋線ー沼津ゴルフ場の「沼津ゴルフ場線」路線バスを運行している富士急シティバスでは、休み明けの二日から影響が出始めたという。
沼津ゴルフ場を午前七時十二分の始発は、宮下バス停に同二十五分、沼津駅南口に同四十分着で運行していたが、新道開通によって宮下バス停到着が三十分遅れとなり、沼津駅到着も通勤時間帯に巻き込まれ四十五分前後遅れるように。また影響は、この路線ばかりではない。バスは沼津ゴルフ場線を運行し終えて他の路線に回ることから、他の路線にも発
着時刻の遅れが生じ、同社では利用者離れが起きることを心配する。
さらに、鉄工団地方面から金岡小に通う児童が利用するスクールバス、東高、暁秀中・高のスクールバスにも影響が出ていることから、足高三枚橋線を回避し、他の路線に移ることも検討課題に。
供用開始から六日目の五日、渋滞は開通当初ほどではなくなった。通過車両の運転者がこの交差点を避けるなどしていることによるところが大きいが、そのために東高の南側を東西に走る道路の交通量は増加。同校では交通安全指導を強化している。また、暁秀中・高では朝の通学時間帯に教諭が宮下交差点に出向き、自転車通学生徒への安全指導を行っている。(沼朝平成19年9月6日号)