沼津 伊豆文学フェスティバル開幕

本県ゆかりの作家や著名人が集う「伊豆文学フェスティバル」が6日、沼津市民文化センターで開幕した。7日まで。6日は「伊豆文学塾」が開かれ、伊豆文学賞の審査員を務めた作家の三木卓さん、村松友覗さん、嵐山光三郎さん、太田治子さんが静岡の魅力や地域性などを語った。
三木さんは戦時中過ごした満州での生活と静岡の水や食を対比させ、「世界的に見ても、静岡には『豊かさ』がある」と話した。村松さんは「それゆえ、何とかしなきゃとあくせく考えない。気付いたら人口が減っていたとか、明るく"斜陽化"している怖さもある」と指摘した。嵐山さんは豊かさの例に東海道を挙げ、「芭蕉が何十回も往来したことが埋没してしまうほど色濃く、重層的な歴史文化がある」と魅力を語った。
太田さんは父、太宰治が母静子の日記をもとに沼津市で「斜陽」を執筆したことや、生前、三島市への移住を切望していたことを明かし、「いっも死にたがっていた彼が、三島では心明るく過ごしていた。もし移り住んでいたら、違った展開になったのかも」と話した。
フェスティバルは「第24回国民文化祭しずおか2009」シンボルイベントの一つ。伊豆文学賞入賞者の表彰も行った。
(静新平成21年11月7日(土)朝刊)

本県ゆかりの作家や著名人が集う「伊豆文学フェスティバル」が6日、沼津市民文化センターで開幕した。7日まで。6日は「伊豆文学塾」が開かれ、伊豆文学賞の審査員を務めた作家の三木卓さん、村松友覗さん、嵐山光三郎さん、太田治子さんが静岡の魅力や地域性などを語った。
三木さんは戦時中過ごした満州での生活と静岡の水や食を対比させ、「世界的に見ても、静岡には『豊かさ』がある」と話した。村松さんは「それゆえ、何とかしなきゃとあくせく考えない。気付いたら人口が減っていたとか、明るく"斜陽化"している怖さもある」と指摘した。嵐山さんは豊かさの例に東海道を挙げ、「芭蕉が何十回も往来したことが埋没してしまうほど色濃く、重層的な歴史文化がある」と魅力を語った。
太田さんは父、太宰治が母静子の日記をもとに沼津市で「斜陽」を執筆したことや、生前、三島市への移住を切望していたことを明かし、「いっも死にたがっていた彼が、三島では心明るく過ごしていた。もし移り住んでいたら、違った展開になったのかも」と話した。
フェスティバルは「第24回国民文化祭しずおか2009」シンボルイベントの一つ。伊豆文学賞入賞者の表彰も行った。
(静新平成21年11月7日(土)朝刊)