高尾山古墳保存求める

 沼津市長らに県考古学会
2015年06月24日09時37分33秒0001 

 県考古学会(植松章八会長)23日、沼津市の都市計画道路「沼津南一色線」の建設予定地にあり、同市が墳丘などを取り壊す方針を固めた「高尾山古墳」(同市東熊堂)の保存を求める声明文を栗原裕康市長と工藤達朗市教育長に提出した。植松会長ら3人が市役所に届けた。

 声明は21日に静岡市内で開いた総会で、全会一致で議決した。3世紀前半の築造時期や中国産の出土品などから、国指定史跡の弘法山古墳(長野県)と双壁をなす最重要古墳と指摘し、「日本国民にとってかけがえのない貴重な文化遺産」として現況のまま保存活用することを求めた。

 学術関係者ら約220人の同学会が声明を出すのは異例。約25年前、二の谷中世墳墓遺跡」(磐田市)の保存を求めて同市や県に提出して以来という。

 沼津市は今後、墳丘の発掘調査を行う予定。植松会長は「古墳を後世に残すことを犠牲にするほどの成果は出ないのでは」と疑義を呈した。

 声明文は川勝平太知事や青柳正規文化庁長官、木苗直秀県教育長にも送られた。


【静新平成
27624()朝刊】
 
 市民グループの陳情受け審査会 沼津市議会

 沼津市の都市計画道路の予定地にあり、市が取り壊しを決めた「高尾山古墳」(同市東熊堂)の存続を求めて市内3市民グループが市議会議長に陳情したことを受けて、市議会文教消防、建設水道の両委員会の連合審査会が23日開かれ、市担当者から発掘の経緯や道路の建設状況の説明を受けた。

 委員からは道路建設による周辺の渋滞解消の効果や具体的な発掘手法などについての質問、市民に周知するための勉強会開催の提案が出た。文教消防委員会の梶泰久委員長は「古墳を大切な財産と認識し、活用法、保存法をさらに検討する必要がある」と市側に求めた。

【静新平成27624()朝刊】

 

 

市議15人が高尾山古墳視察
2015年06月24日09時37分33秒0003 

道路、文化財担当職員から説明受ける

 市議による高尾山古墳の現地視察が二十二日午後に行われ、文教消防委員会と建設水道委員会に所属する議員十四人のうち、体調不良の一人を除く十三人と正副議長が参加した。

古墳墳丘部の頂上に立った視察団は、はじめに道路建設課の後藤久課長から都市計画道路沼津南一色線の建設計画概要について説明を受けた。

 後藤課長は、道路と新幹線高架が交差できる場所は、高架の構造から見て現在の計画ルート以外にあり得ないこと、道路開通に必要な松沢川以東の区間(*)は岡宮北土地区画整理事業で工事に取り組まれることなどを話した。

 また、後藤課長は、視察準備のために移動中、道路建設課関係者の車両が渋滞に巻き込まれたことも強調し、道路建設の重要性を訴えた。

 市教委からは文化財センターの池谷信之主幹が古墳発掘調査の経緯と古墳築造年代について説明する一方、建設工事を前に行われる予定の発掘調査は、古墳表面の土を少しずつ剥がしながら行うため、最終的には古墳は姿を消すことになることなどを話した。

 説明の後、視察一行は古墳頂上部を自由見学しながら雑談。あるベテラン議員は「こんなもの早くつぶせ」と語り、これに対して別の議員が「このままでは貴重な古墳を壊した男として歴史に汚名が残るが、それでいいのか」と詰め寄る場面が見られた。

 また、他所では、ある議員が別の議員に対して「あなたは古墳が大事だと言うが、普段から古墳に関心を持っていたのか。これまでに見学したことのある古墳の名を今すぐ言ってみなさい」と迫るなど、古墳に対する理解を巡って様々な人間模様が演じられた。

 文教消防委員会の梶泰久委員長は視察後の感想として、「古墳が貴重なものであるとは感じている。しかし、道路計画は以前からあったものであり、いずれを重視するのか議論していきたい。古墳保存のあり方についても、様々な角度から考えたい」と話した。

 (*)松沢川以東の区間

 高尾山古墳一帯を含む以西区間が道路建設課の担当であるのに対し、以東区間は市の岡宮北区画整理事務所が担当。

 以東区間の工事は未着手だが、以西区間と合わせて平成三十三年度末までの開通を目指している。

【沼朝平成27624()号】