県考古学会も保存求める声明文
静岡県考古学会は二十一日、静岡市で開かれた総会で「沼津市高尾山古墳の保存を求める声明」を決議。二十三日に植松章八会長ら役員三人が沼津市役所を訪れて市長部局と市教委に声明文を提出した。声明文は文化庁と県、県教委にも送付された。
声明文では、高尾山古墳を「日本列島でも最古段階の大型古墳」「(東日本では)国指定史跡長野県弘法山古墳と双壁をなす最重要古墳」と位置付け、古代社会における中央と地方の関係を考える上で重要な学術的価値を有しており、「歴中的文化遺産としての価値が極めて高い」「静岡県民のみならず日本国民にとってかけがえのない貴重な文化遺産」としている。その上で古墳の「適切」な保存と活用を求めている。
役員三人は市議会の合同審査会も傍聴した。
審査会で出た「貴重な古墳だからこそ、解体して調査すべき」という主張に対し、同学会委員の篠原和大・静岡大教授は「ずれた議論だと思う。文化財保護法の理念が伝わっていない。文化財が失われることは、その価値も失われるということ。文化財を未来に残すことは文化の向上や発展への基礎になる。科学技術が日進月歩で進化する中、調査技術も発達している。将来の新技術による。調査の対象とするためにも、古墳を残す意義はある」と話す。
植松会長は「今までの調査によって得られた価値と比べると、これからの調査によって得られるであろう価値は際立ったものになるとは思えない。古墳を残すこと犠牲にしてまでの価値ある知見が得られるとは思わない」と述べた。同学会は県内の専門家や文化保護関係者など約二百二十人が会員となっている。二〇一二年にも同古墳の保存を求める要望書を提出していて、沼津市教委からは「関係各所と協議していく」などとする回答が寄せられたという。
【平成27年6月26日(金)号】
