「371系」ラストラン
沼津ー新宿駅間を結ぶ特急「あさぎり」として親しまれたJR東海の電車「371系」が30日、引退を迎えた。ラストランとなった臨時急行が御殿場駅(御殿場市)に到着すると、多くの鉄道ファンが23年にわたって走り続けた車両の最後の姿をカメラに収めた。
371系は1991年、小田急小田原線からJR御殿場線への直通列車「あさぎり」の沼津駅延伸を機に誕生。流線形のデザインや大きな窓、一部2階建ての車両が特徴で、1編成しかない希少さでも人気を集めた。2012年に定期列車を退き、以降は臨時列車として運行されてきた。
松田発浜松行きの「御殿場線80周年371号」として運行された最後の列車は約400人の乗客で満席。見送り式が開かれた御殿場駅では、多々羅満夫駅長の合図の後、警笛を鳴らしてゆっくりと走り出すと、ホームのファンから拍手が送られた。
沼津市の中学生加藤風雅君(13)は「とてもかっこいい車両なので引退は残念。最後の姿を見られて良かった」と別れを惜しんだ。
引退後の車両は他の鉄道会社への譲渡を検討している。