東海大開発工学部跡(沼津)
県農作物先端研究施設に
県は地方創生事業として取り組む、機能性の高い農作物の研究開発を進めるため、2015年3月に閉校した東海大開発工学部(沼津市西野)跡地の元校舎を活用し、先端研究施設を設ける方針を固めた。国の地方創生加速化交付金を活用し、15年度2月補正予算案に研究開発費や関連整備費など約5億3900万円を計上する見通し。開設に向け、地元の沼津市などと調整している。
先端研究施設は元校舎の一棟を改築して拠点とする方針。健康増進のための機能性が科学的根拠により明らかな農作物「アグロメディカルフーズ」の研究開発に取り組む。新設の研究施設では、どのような条件下で農作物の機能性が高まるか、栽培条件や生産システムの構築を目指す。理化学研究所、慶応大と共同研究を進め、民間からの参画も募る。
同学部の跡地と建物は、大学側が沼津市に寄付する意向を伝えている。市と大学間の譲渡契約が整えば、市から県が元校舎を借りて研究施設として整備する方針。
県はアグロメディカルフーズの研究開発を、本県の強みとされる「農業」「食」「健康」が連携する新産業の目玉プロジェクトに位置付ける。プロジェクトを通して県産農作物の付加価値や優位性を高め、健康長寿日本一を支える食のブランド化を目指す。
東海大開発工学部は15年3月で全学生が卒業した。跡地の敷地面積は約24万平万㍍。16年度末までにスマートインターチェンジの供用開始を予定する新東名高速道駿河湾沼津サービスエリアに近い。
【静新平成28年(2016年)2月4日(木曜日)夕刊】