学校徴収金など541万横領
県教委 沼津市の事務主査懲戒免
県教委は28日、学校懲金などの不適正な会計処理により、勤務していた2小中学校で計544万4762円を横領したとして、沼津市立第二中の岩本辰也事務主査(45)を懲戒免職処分にしたと発表した。岩本事務主査の前任校である市立原小の男性校長(56)も管理監督費任で戒告とした。2校は業務上横領容疑で刑事告訴の手続きを進めている。
県教委によると、岩本事務主査は原小に勤務していた2017~20年度の4年間、PTA会費や周年行事の積立金など複数の会計処理で、現金を口座に入れず手元に置いたり、校長の決裁を経ずに自分で押印した伝票を作成し出金したりして、263万6302円の不足を生じさせた。21年度かち勤務する第二中では、原小の会計の穴埋めのために同様の方法で280万8460円を流用した。
5月に原小の後任職員が不正に気付いた。岩本事務主査は県教委の聴取に「自宅の購入や生活費による債務返済のため横領を繰り返した」と話したという。6月上旬までに全額を返還した。
岩本事務主査は団体会計の通帳と印鑑を管理する立場だった。原小では年度末にPTAの会計監査を行っていたが、同事務主査が作った帳簿と通帳との照合をせず、発覚に至らなかったという。
県教委によると、横領金額は懲戒処分の記録が残る08年度以隆最多。再発防止に向け、団体会計の管理徹底や定期的な口座残高のチエックを各学校に求めた。
沼津市立小中の昨年度会計調査 市教委
沼津市教委は、岩本事務主査の不適正な会計処理による横領を受け、全ての市立小中で昨年度分の通帳、出納簿、領収書を確認した。岩本事務主査の過去の勤務先について、保存されている複数年分の会計調査を行った結果、その他の不正は見受けられなかったという。
市教委は、全市立小中の会計調査の対象期間を過去5年間に広げて実施している。再発防止策として、学校徴収金取扱要項を策定、通帳などの管理徹底、確認体制を強化する。不適正な理の早期発見を図るため、年度末の監査に加え、年度途中に随時確認する会計検査を導入する方針。
奥村篤教育長は「児童生徒、保護者、市民の学校教育に対する信頼を著しく失い、深くおわび申し上げる」とコメンした。