死に方の質

 多死社会に入り、死に方の質は他人事ではない時代です。本講座は「田舎の和尚」を自任する「釣月寺・閑栖」と罰が当たり死の淵を覗き込んだ「元迷医」による迷対談です。死生観などの難しい話は研究者に任せ、日頃ふと感じたことを沼津市民の方々とともに悩み、苦しみ、もがいている様に関わる忌揮のない話し合いの場を持とうという企画です。死に方の質は千差万別で、正解はあめません。もっとも大切な点は、日々の暮らしのなかで、死に方の質を頭の片隅において生きていくことではないでしょうか。対談時間は短く、市民の方々とざっくばらんな意見交換をしたい思いです。それが二人の娑婆への恩返しと考えた企画です。奮ってご参加いただき、交流を深めたいと思います。本講座は全てボランティア開催ですので、参加費は原則無料ですが、各自のご判断で支援箱へご援助を頂ければ幸甚です。

死に方の質

死に方の質 千野慎一郎

 「死に方の質」とは十九日に市民文化センター大会議室で開催する市民公開講座のテーマである。この馴染みはないがインパクトのある言葉は多くの人には負のイメージが強いと思われるが、言い換えると「生き方の質」であり、私達のありのままの生き方の終焉として捉えると理解し易い。

 少子化が加速して多死社会に入り、死に方の質は他人事ではない。死に方の質は生き方同様に千差万別で正解はないが、日々の暮らしの中での意識にあるとも考えられる。

 今年三月、同テーマで東海病院管理研究会の市民公開講座として、名古屋市立大学病院の大ホールで開催された。

 その講座を中心となって企画運営したのが、私の中学の同級生で、現在、名古屋市立大学客員教授の宮治眞医師である。

 彼から、沼津でも同テーマでの市民向け講座ができないかと話があり、中学の同窓生有志が集まる旅路会で実現に向けて協力することになった。

 名古屋では看取りに関わる看護師、葬儀屋、医師からの事例発表後、市民との活発な質疑応答がされたと聞いている。今回は人の死に接する機会の多い寺の佳職を交えて談話ができないかとの希望があり、幸いにも釣月寺の秋山俊學師に参加いただけることになった。

 「田舎の和尚が考える死に方」と題して、長年の住職の体験を通しての話や最近の葬儀事情、ヨットマンとしての豪快な人生についても語っていただけると期待をしている。

 また、宮治医師は「元迷医が死の淵を覗き込んだ死に方の質」と題して、老人の性の第一人者と自負する彼が、七年前の中学校の同窓会で体調を崩し、死の淵を覗き込んだ実体験を通じて何を語るか楽しみである。

 また今回の宮治医師の企画に賛同した研究者三人が名古屋、東京からスタッフとして参加し協力いただける。

 会の趣旨で、死生観などの難しい話は研究者に任せ、日頃ふと感じたことを市民の方々と忌憚(きだん)のない話し合いの場を持つために、談話時間を短くし意見交換の時間を十分確保している。

 難しく構えないで医療や介護、終活、葬儀など何でも悩みのある方は、暑い盛りですがご来場いただき、奮って交流にご参加ください。

 本講座はボランティア開催ですので参加費は無料ですが支援箱へのご援助を頂ければ幸甚です。

 市民公開講座「死に方の質IN NUMAZU」」は今月十九日()午後一時半から市民文化センター二階大会議室で開かれます。主催は旅路会。

問い合わせ旅路会会長の小川数明(電話九三一の一三七七)まで。

(旅路会幹事、宮本)

【沼朝平成30815()言いたいほうだい】