「今後の感染状況注視」
沼津の第一第二中区統合時期延期を説明 市教委
沼津市教委は24日開かれた市議会文教産業委員会で、統合時期の延期を表明した第一、第二中学校区の再編方針について報告した。委員からは、報告の中で統合自体に反対する一部地域住民の意見が触れられていないことや、今後の見通しなどに対する質問があった。
市教委は20日、両校区内の小学3校を1校に、中学2校を1校にそれぞれ再編する方針について、「2023年4月」としていた統合時期を延期すると発表した。同委員会では、新型コロナウイルスの感染拡大で県内に緊急事態宣言が発令されたことに伴い、円滑な統合に向けて本年度に予定していた児童生徒の交流事業が実施できなくなったためと延期の理由を説明した。
委員からは延期によって統合がどの程度遅れるのか質問があり、市教委は「今後の感染状況を注視しながら、関係機関と協議して統合時期を改めて決定する」と答えるにとどめた。報告資料には一部住民から寄せられている統合反対の意見が触れられていないとの指摘もあり、市教委は「統合方針自体の撤回・再協議を求める意見がある一方で、統合に賛成する声もある」と話した。
【静新令和3年8月25日(水)朝刊】
学校統合延期を報告 日程未定
市教委が市議会文教産業委員会に
市議会文教産業委員会(市川道隆委員長)が24日に開かれ、市立小中学校の夏季休業期間の延長と第一・第二中学校区における学校規模・学校配置の適正化の方針について市教委が報告した。
はじめに遠藤宗男学校教育課長が、静岡県に新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言が発出されたことを受け、市立小中学校は23日までを予定していた夏季休業を31日まで延長したことを報告。オンライン学習や校内の感染予防対策の準備期間として必要なためなどと説明した。
これに対して委員から「授業日数を確保できるのか」「校内の対策とは」「オンライン学習に問題はないのか」などの質問があり、遠藤課長は「予備的な時数があり、年度内で授業日数を確保できる」「文部科学省の対策マニュアルにある、生徒の座席の間隔を1㍍取る、空き教室を利用することなどを各校に指示して行う。23日には臨時の校長会も開いた」「夏休み中に行ったオンライン登校日で、通信の不具合などネット環境のトラブルは聞いていない。子どものことなので誤作動等に対して指導する場面が1学期に見られたが、引き続き指導していく」と答弁。今後の感染状況によっては学校ごとに個別の休校等の措置も行っていくこともあるとの考えを示した。
次に、矢田陽子教育企画課長が第一・第二中学校区の統合について、2023年(令和5年)からの実施を予定していたがコロナ禍における両校区の児童生徒、保護者による交流ができないことから、延期することにしたと報告した。
これに対して江本浩二委員(未来の風)が「地域住民の反対があったことは新聞等の報道により周知の事実。それを報告しない(報告書に記載しない)のは、議会軽視であり、隠ぺいではないか」と語気を強めて迫った。
高峯聡一郎副市長は「(地域の反対があったことを報告書に記さなかったこと等)謝る点については謝る。しかし、第二コミュニティとも『子どもの教育を考えていきたい』という点で思いは一致している中で、書くべきことなのか(どうか)と考える」とした上で、「出すべきものは出していて、隠ぺいなどしていない」と、こちらも声を強めながら答えた。
また、江本委員から「2023年に千本小で複式学級が発生しなくなったことを示す資料をなぜ提出しなかったのか」と問われたのに対して、奥村篤教育長が「不適切だった。申し訳なかった」と陳謝した。
さらに、「数字を意図的に操作したのでは」と問われ、矢田課長は「操作はしていない」とした上で、今後、地域に対しても懇談会等で謝罪していくと述べた。
また、植松恭一委員(虹の会)から「(統合へ向けて)いろいろと準備していた子ども、保護者のケアをどう考えているか」の質問に、奥村教育長は「新たな環境での不安もありながら頑張ろうとしていた子ども達へ保護者に対して申し訳ない」と話した。
今後の統合に向けたスケジュールについては、コロナの感染状況が不明瞭なため未定だが、市教委としては、感染が沈静化ーた後、予定していた部活動などの交流プログラムを実施しぐいく考えでいる。
【沼朝2021年(令和3年)8月25日(水曜日)】