沼津富士急百貨店解体へ
富士急行がことし12月にも、JR沼津駅南口の沼津市大手町に土地・建物を所有する富士急百貨店沼津店ビルの解体に着手する方針を固めたことが、7日までに分かった。地元や同社など複数の関係者が明らかにした。
建物の老朽化に伴う解体で、作業は6カ月以上になる見通しという。跡地(約1820平万㍍)は売却せず、当面は同社が低層の建築物で物販施設などを整備する案が浮上している。沼津駅周辺で今後本格化するとみられる駅周辺鉄道高架事業の進展を見据え、将来の構想を検討する。
富士急百貨店沼津店のオープンは1965年。鉄筋コンクリート造りで、売り場は地下1階から地上6階までの延べ約7千平方㍍(全床面積は1万1600平万㍍。2002年に耐震化などの大規模なリニューアルを実施したが09年ごろから化粧品店の移転など退店が加速。耐震化実施時に、12年までの最長10年間を期限とした定期借家権契約を各テナントと交わし、以降はグループ会社のオフィスや飲食店、100円ショップが入っていた。飲食店などには既に解体を伝えている。
同店前はグループ会社の富士急シティバスが運行する路線バスの発着所となっていて、平日1日当たり185本が往来する。解体作業中にはこうしたターミナル機能の一時的な移転も必要になるため同社は今後、発着所の移転先について関係機関と調整に入る方針。
地元にぎわい期待
沼津市はJR沼津駅付近鉄道高架化童業に伴う駅前再開発に向け中心市街地のまちづくり戦略を議論中。頼重秀一市長は今回の解体方針について富士急行に「駅周辺は歩行者中心の空間に再編する方針。都市計画に理解をいただければ」と望んだ。松田和孝沼津大手町商店街振興組合理事長は「人を呼び込む力はある場所。にぎわいが生まれる活用をしてほしい」と期待した。
【静新令和元年6月8日(土)朝刊】