沼津市議会

山下市議の懲罰動議発議 沼津市議会

山下市議の懲罰動議発議 沼津市議会

 沼津市議会は10日、本会議を開き、7日の一般質問で不適切な発言があったとして山下富美子氏(未来の風)に対する懲罰動議を市議22人が発議した。市議会は懲罰特別委員会を設置し、週明けにも審議する。

 梶泰久氏(市民クラブ)が動議に至ったことについて「市当局の答弁に対して無礼な発言をして、議会の権威と品位を汚した」と説明。具体的には第一と第二校区の統合問題への一般質問で、山下氏は答弁に立った奥村篤教育長に対し「教育長、それは大きな間違いですよ」などとした。

【静新令和31211日(土)朝刊】

 

 市議会が日程に追加

 懲罰動議提出を受け質疑

 市議会は10日、午前は日程通り常任委員会を開いた後、日程を追加して午後、本会議を開いて、山下富美子議員(未来の風)に対して出された懲罰動議を議案とした。

 動議は28議員のうち山下議員、同じ会派の江本浩二議員、それに正副議長、議会運営委員会の正副委員長を除く22議員から提出されたもので、懲罰動議を議題とした後、山下議員は退出。当局側は関係部局からだけ出席し、動議について梶泰久議員(市民クラブ)が、次のように説明した。

 「127日の一般質問において、山下議員の発言の一部が議会の権威と品位を著しく汚したと判断したため、会議規則第161条第1項の規定に基づき本動議を提案する。本件は本市重要課題である市内公立学校の学校規模、学校配置の適正化について、正当な答弁を行った当局の信用を大きく失墜させる無礼な言葉を用い、かつ自身の法の解釈で断定的な発言をしたことなどが本議会の権威と品位を著しく汚すものである。以上の経緯、及び理由から山下議員に対する懲罰を求める」

 これに対する質疑で江本議員が質問。 「『発言の一部が議会の権威と品位を著しく汚したと判断した』とされているが、具体的に、どの発言が、どのように著しく汚したと判断したのか。次に、全国町村議会議長会が出している『議員必携』では具体的に、どういう発言、どういう行為が品位を貶(おとし)めるのかということについては触れていない。この中には7つ具体的に、懲罰の事由となる事項を挙げている。7つの具体的な懲罰の事由となる事項のうち、今回のケースが、どれに当たるのか

 「提案理由に『当局の信用を大きく失墜させる無礼な言葉を用いた』とされているが、山下議員の発言の、どこの部分が、信用を大きく失墜させる無礼な言葉と捉えたのか」

 「提案理由の中に『自身の法の解釈で断定的な発言をした』と説明されているが、どこを指して法の解釈を断定的に発言されたのか。さらに、法の解釈を断定的に発言することが、どうして権威や品位を失墜させることに当たるのか」

 「『権威と品位を著しく汚すものである』、これは非常に観念的な表現で、受け取る者によって『軽微なこと、問題ない』と受け取る人もいれば、『著しく汚した』と思う人もいる。だからこそ、今回、(山下議員の)質問にあった学校教育法、地方教育行政法、さらには文部科学省が発行した『学校の規模適性会における手引』、その3点の解釈が誤っていたとするのかもしれないが、それを司る文部科学省の助言、または全国市議会議長会等に、今回の事案が懲罰に値するか等の助言等は頂いたのか。また、他の地域で同様の事由により懲罰が科せられた事例はあるのか。それについて皆さんが確認したのか、したのであれば、(そういう事例が)あったのかなかったのか」

 これに対して梶議員は次のように答えた。

 「1つ目の『発言の一部は具体的にどこか』という質問。それについては、山下議員が『教育長、それは大きな間違いですよ」と発言した部分」

 「2つ目、議員の規定の内容の中で7つの項目が挙げられているもののどれに当たるかということ。それについては例示されているものと、そうではないものということで考えている。この例示に一致している必要はないと。沼津市議会は(沼津市議会の)会議規則において、ということで動議を出したということ」

 「3点目、『無礼な発言とは、どこを指しているのか』については『教育長、それは大きな間違いですよ』の部分」

 「4点目、『断定的な発言は、どこを指しているのか」ということも同様に『教育長、それは大きな間違いですよ』の部分」

 「最後に5点目、文科省等の話があったが、最終的には『全国市議会議長会での助言は受けたのか、あるいは、他の事例は確認をしたのか』ということだが他の事例は確認していない」

 これに対して江本議員が2回目の質問。

 「『議員必携の具体的な施行に該当するものはない、拠って立つものは沼津市議会会議規則』だということだが、会議規則のどの部分に抵触し、懲罰に値すると考えたのか。また(山下議員の質問の仕方が)断定的だ(から問題だ)と捉えられたようだが、どの法の解釈について断定的であり、不適切だったのか具体的に、法令の名で伝えてほしい」

 梶議員の答弁。

 「1点目の会議規則のどこかということ、2点目の、どの法かということで、それぞれに答えたいが、一括して答える。具体的な内容については設置された(懲罰特別)委員会で、慎重に確認して審議していただきたいと思う」

 ここで江本議員が浅原和美議長に向かって、「本会議における審議において、それは委員会の中で答えるから(今は)答えない、ということが許されるものなのかどうか。とても疑問なので、これに関して精査してもらいたい」としたが、議長は「議長としては、今の質疑を聞いていて、総体的に、の中で答えると理解しているので、質疑を続けていただきたいと思う」として質問を促がした。

 そのため、江本議員は3回目の質問に移った。

 「全国の標準的な会議規則の運用方法、全国から色んな事例を集めて、それぞれの議会からの相談を受け付けている全国議長会、そのいずれにも、皆さんがやられた(調べた)根拠はなく、あるのは、沼津市議会会議規則にのっとったということ。これは重要なことではないのか。公的ルール、それにのっとってやったんだということを証明する、重要な理由だと思うのに、答えられないのはどういう理由か」

 これに対して梶議員が「内容については、委員会で審議していただくという形になるので」としたため、江本議員が重ねて発言を求めたが、浅原議長が質間は3回までだとして江本議員の質問を終えた。

 懲罰特別委員会は13日に開くことになり、委員には尾藤正弘(自民沼津)、久保田土口光()、加藤明子(志政会)、渡邉博夫()、霞恵介(市民クラブ)、長田吉信(公明党)、平野謙(虹の会)、江本浩二(未来の風)、川口三男(共産党市議団)、梅沢弘〔無所属)の各議員が選任された。

【沼朝令和31214日(火)号】

 山下議員への懲罰は「戒告」

 受け入れるかどうか相談

 市議会は13日午後、懲罰特別委員会(渡邉博夫委員長)を開き、山下富美子議員(未来の風)に対する懲罰動議について審査した。

 委員に選任されたのは、渡邉委員長(志政会)をはじめ、尾藤正弘(自民沼津)、久保田土口光()、加藤明子(志政会)、霞恵介(市民クラブ)、長田吉信(公明党)、平野謙(虹の会)、江本浩二(未来の風)、川口三男(共産党市議団)、梅沢弘(無所属)10人。

 同日朝、山下議員の支援者ら132人から同委員会の公開を求める要望書が浅原和美議長に提出されていた。同委員会は公開で行われ、市内外の約50入が傍聴した。

 開会冒頭、渡邉委員長は懲罰の動議について、提案理由は本会議で聴いているため省略する、と発言。

 江本委員は反対し、提案理由の説明を求めたが、江本委員以外の委員が賛成し、提案理由についての説明は行われなかった。

 委員による討議を前に、まず山下議員が弁明を行い、自身の発言について説明。

 また、植松恭一議員(虹の会)と議会事務局の藤井義昭副参事が出席し、文部科学省の担当者に確認した内容について発言した。2人は議長の指名を受けて9日、文科省に出向き担当者から話を聴いたと言う。

 担当者から聴いたものとして、藤井副参事は概略を、次のように説明した。

 教育委員会制度の趣旨、地方自治法、学校教育法、地方教育行政法(地教行法)などの関連条文についての説明を受けた上で、文科省に対して質問。

 「『学校教育法第2条』『公立小学校中学校の適正規模・適正配置等に関する手引』で規定する学校の設置者たる地方公共団体の示す範囲は」という質問に対しては、「地方公共団体の長は市長であり、議案の提出権、予算の執行権が職務権限とされている。地方公共団体には、行政機関、執行機関として教育委員会が設置されており、公立学校の設置、管理、廃止については、地教行法第21条の規定により教育委員会の職務権限」だという説明があった。

 「こうしたことを踏まえ、学校の設置者たる地方公共団体の長と、教育委員会が密接な関係で進めていくというスタンス」だと説明された。

 さらに、「地方自治法第224条の2に規定される、公の施設の設置、管理、及び廃止、こちらについては市長が議会に議案を出すため、その権限は市長にのみ属するのか」という点について確認したところ、「市長は、教育委員会において決定された事務事業に関し、市長の議案提出権により議会に議案を提出するという流れになるが、独立した執行機関である教育委員会の職務権限において地教行法第29条に基づく協議を行った上で、設置や廃止などの議案の提出、予算の執行を行うため、長の意思はここで反映されるもの」との答えがあった。

 この藤井副参事の説明を受けて討議に移り、委員長を除き1人ずつ発言。江本委員以外は山下議員への懲罰を科すべきだとした。

 また、「戒告」「陳謝」「出席停止」「除名」とある4種類の懲罰のうち、何を科すべきかについて、川口、久保田両委員は、軽い方から2番目の「陳謝」、他の委員は最も軽い「戒告」が相応であるとした。

 これに対して江本委員は、10日の本会議において懲罰の提案について質疑を行った際、答弁した梶泰久議員(市民クラブ)が「具体的な内容については、設置された(懲罰特別)委員会で、慎重に確認をして審議していただきたい」と発言したことにも触れ、提案理由の説明と、それに対する質疑を行うよう再三求めたが、行われなかったため、「懲罰委員として判断するのに必要な情報がない」として、賛否を保留した。

 この後、採決を行い、「戒告」処分とすることが決まった。

 戒告文については正副委員長により案が示され、議会事務局職員が読み上げた原文の通りとすることが決まった。戒告文は次の通り。

 「山下議員の発言の一部は、本市の重要課題である市立公立学校の学校規模・学校配置の適正化について、正当な答弁を行った当局の信用を大きく失墜せる無礼な言葉を用い、かつ、自身の法の解釈で断定的な発言をしたことなどは、沼津市議会の品位を汚すものである」

 閉会後、山下議員が囲み取材に応じ自身の考えを述べた。

 同議員は、まず文科省の見解については委員会で藤井副参事が述べた通りだとしながら、「学校が地域コミュニティの核だということを考えると、『まちづくり』をどうしていぐかという最終的な決断ができるのは市民の負託を受けた市長しかないと考える」とし、「教育委員会と市長が両輪となってこの間題に向き合ってもらいたい」と語った。

 また、「教育長、それは大きな間違いですよ」という発言が問題となっていることについては、「質問したことに対する答弁ではなかったので、それに対して発言したもの」だとした。

 また、「市民の小さな声を、どうやって議員が代弁し、議会に反映していくのか」に腐心していると議員としての姿勢を示し、「多数決が絶対であるという議会の構造が本当の民主主義だと言えるのか」との思いを述べた。

 この処分を受け入れるかどうかについては、「支援者の方々や弁護士と話して決断したい」と語った。

【沼朝2021年(令和3)1215()

山下議員に戒告の懲罰

 動議の指摘には「一身上の弁明」

 市議会定例会は17日、本会議を開き、まず山下富美子議員(未来の風)に対する懲罰動議について諮り、山下議員が「一身上の弁明」を行った後、山下議員が退席する中で討論に移り、小澤隆議員(志政会)が懲罰に賛成する立場から発言したのに続いて起立採決。賛成多数で懲罰が決まった。

 これを受けて山下議員が議場に戻り、自席に着いた後、浅原和美議長から「戒告」処分とすることが告げられた。

 この問題は、7日に行われた山下議員の発言に不適切な個所があり議会の権威や品位を汚したなどとして懲罰特別委員会が設けられ、懲罰動議について審査。委員会での可決を経て、本会議に諮られたもの。

 「山下発言」は、第一・第二校区の学校統合問題にかかわり、学校設置権者についてただした。懲罰動議提出側からは、誤った法解釈を押し付け、市長や教育長の名誉を傷付けたなどとして非難された。

 山下議員は「一身上の弁明」で5点にわたって反論。質問までの経緯なども示しながら、懲罰には当たらないことを主張した。

 一方、懲罰賛成討論を行った小澤議員は、山下議員の法解釈には誤りがあるとして、自身の法解釈を展開するなどして「山下発言」は懲罰に値するものだと述べた。

 なお、この「山下発言」について、議長から取り消しが告げられた。

 山下議員の「一身上の弁明」、小澤議員の懲罰賛成討論についての詳細は次号に掲載する。

【沼朝令和31218日(土)号】

【沼朝令和31218日(土)号】

 山下氏の懲罰可決 沼津市議会閉会

 沼津市議会11月定例会は17日、最終本会議を開き、山下富美子氏(未来の風)を戒告とする懲罰動議を起立採決し、賛成多数で可決した。一般質問での発言が不適切とされ、懲罰特別委員会は戒告が妥当としていた。

 このほか、本年度一般会計補正予算などを原案通り可決して閉会した。

【静新令和31218日(土)朝刊】

大沼市長回復 沼津市議会17日開会 出席へ

 沼津市議会17日開会

 大沼市長回復、出席へ

 沼津市は1日、小脳出血で117日に入院した大沼明穂市長が、6日に退院を予定していることを明らかにした。1日の市議会議会運営委員会で2月定例会を当初の予定から1週間遅らせ、17日開会とする方針を伝え、了承された。2017年度当初予算案の発表は9日になる見込み。

 後藤克裕企画部長によると、131日に主治医に確認した結果出血の跡は見られなくなるなど順調に回復し、既に病院内を歩いてリハビリを行っているという。ふらつきを感じることがあるものの、症状は改善傾同であることから「主治医と市長本人と相談の上、2月議会に臨むことにした」と説明した。

 大沼市長は117日に体調不艮を訴え、市内の病院に入院。同27日に市立病院に転院した。公務復帰の日程は体調を考慮しながら決める。

【静新平成2921()夕刊】

2017年02月01日19時24分02秒0001
 
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