第一・第二校区の学校統合
何が問題としてあるのか…1
第一校区と第二校区の小学校3校と中学校2校それぞれの統合について、第二校区のコミュニティ組織が頼重秀一市長宛てに提出した要望書に対する回答が7月20日付であった。要望では、学校が地域コミュニティにとって大きな存在であることを訴えながら中学校の統合について先延ばしを求めたが、回答は住民側が求めたものとはかけ離れたもので、「ゼロ回答以下」だとの声も上がっている。この間題について回を分けて考えてみる。
端緒統合計画が明らかになったのは6月18日。市議会文教産業委員会で市教委教育企画課が報告した。
それによると、小学校は第一、第二、千本の3校を統合して学校施設は現一小を使用。中学校は第一、第二を統合し、9学校施設は現一中を使用し、小中学校共に再来年4月、同時に開校するというもの。
翌19日、第二校区の住民は報道によって計画を知ることになるが、住民にとっては「寝耳に水」「青天の霹靂」の出来事だった。
計画の大まかな推移を見ると、話は二小と千本小の統合について始まる。 千本小で近い将来、複式学級化を考えざるをえない状況が生じることから二小との統合を考えようというものだったが、第一校区についても少子化が進んでいるため、第二校区内だけで終わらせたのでは問題を先送りするだけだとして第一校区と合わせて考えることになった。
保護者も加わった検討組織で話し合う中で、保護者側から小学校の統合については了解するが、中学校については議論を深めてほしいという提案がされたものの、教委側は受け入れなかった。
その理由は、小学校を統合した後、中学校が2校では、小学校卒業児童の進学先が分かれてしまい、児童にとっても、小中連携教育という点からも好ましくないなどというものだった。
統合協議小学校3校、中学校2校を統合するという計画の進展を時系列で追うと、概要、次のようになる。
▽2018年10月=学校規模・学校配置の適正化にかかる第二中学校区保護者説明会が、二小と千本小で開かれる。
▽19年6月=第二中学校区適正化推進委員会が開催され、以後12月までに3回開催。この間、第二地区保護者へのアンケート調査が行われる。
▽20年2月=第一・第二中学校区における学校の規模や配置に関する保護者説明会が、第一地区の保護者に対して開かれる。
▽8月=第一・第二中学校区適正化推進委員会開催。以後、今年3月までに4回開催。この間に両地区保護者への説明会とアンケート調査を実施。
▽21年1月=第二地区コミュニティ推進委員会が奥村篤教育長に要望書を提出。中学校統合について議論を深めてほしいなどと求める。
▽4月=両校区保護者への説明とアンケート実施。
▽6月=18日、教委が市議会文産委に統合計画を報告するとともに、第一・第二中学校区適正化推進委員会(第5回)を開き、統合方針を報告。
また、25日から30日にかけ、6回にわたって説明会を開くが、対象は保護者のみ(住民は参加できなかった)。
30日、第二地区コ・ミュニティ推進委員会の望月照五会長が市長宛ての要望書を提出(後述)。
▽7月=4日、市長、副市長、教育長と、第一、第二校区小中5校のPTA役員らが意見交流会。
15日、教育委員会が非公開で開かれる。
19日、第二校区関係者が市長と面談。中学校統合時期について再考を求めたが、同席した教育長は方針撤回の考えのないことを明言。
25日、市長宛て要望に対する20日付の回答が届く。
以上の経過のうち、7月4日の市長との意見交流のやり取りについては第一、第二校区小中5校の学校ホームページに掲載されている。
また、第二校区で6月、6回にわたって開かれた説明会の議事録は、まだ公開されていない。参加した保護者によれば各回定員いっぱい近く集まり、時間切れになるほど紛糾したと言う。
担当の教育企画課では、公開の予定はあるが、詳細にわたるので調整中だと説明している。 (次号へ)
【沼朝 2021年(令和3年)8月4日(水曜日)号】
何が問題としてあるのか・・・:2
第一・第二校区の小学校3校、中学校2校が、それぞれに統合して2年後の2023年4月に開校するという計画が明らかになったことを受け、6月30日、「第二地区コミュニティ推進委員会会長望月照五」名で、頼重秀一市長宛て要望書が提出された。
要望では、第二校区から3校が同時になくなってしまうことによるコミュニティ活動への支障が懸念されることを訴え、中学校の統合については十分に議論を尽くしてほしい、と求めた。これに対して頼重市長、奥村篤教育長それぞれから望月会長宛てに回答が届いた。
要望望月会長名による「沼一中と沼二中の統合を急がないでください!」と題する要望(以下、要望)は次の通り。
令和5年4月から、第一小学校、第二小学校、千本小学校の3校を第一小学校の施設に統合し、同時に、第一中学校と第二中学校を第一中学校の施設に統合することを目指すという方針が、沼津市教育委員会から示されました。
3つの小学校の統合は、千本小学校の複式学級化が迫っており、第一小学校と第二小学校の児童数も減少していて、第二小学校が津波の浸水想定区域になっていることから、止むを得ないと考えます。
しかし、第一中学校と第二中学校の統合については、昨年8月に「第一・第二中学校区適正化推進委員会」が組織されて議題に入ったばかりで、地域住民の多くにとっては、寝耳に水の提案です。小学校の統合と同時に中学校の統合を急いで行わねばならない理由や第一中学校へ統合するという合理的な理由が示されておりません。
沼津市教育委員会は、第二地区から、再来年には小学校と中学校をなくしてしまおうとしているのです。第二地区コミュニティ推進委員会会長望月照五は、第二地区コミュニティの核としての小・中学校を第二地区から一挙になくしてしまおうという方針に強く反対いたします。
◎第二地区コミュニティ推進委員会会長望月照五は、頼重秀一沼津市長に以下について強く要望いたします。
(1)小・中学校は、地域コミュニティの核です。小・中学校の統合に当たっては、「まちづくり」の視点を忘れることなく、地域の住民と存分に話し合うとともに、地域の住民の意見を充分に聞き、中学校の統合を急がないでください。
(2)第一小学校、第二小学校、千本小学校の3校を統合して、第一小学校の施設を用いることには同意いたしますが、その際、第二小学校の施設を津波による浸水避難場所や防災、スポーツ、地域交流の場としての役割を果たせるようにしてください。
(3)第一中学校と第二中学校の統合を、小学校の統合と同時に実施しなければならない合理的な理由はありません。充分な議論と住民の合意がなされるまでは、現在のまま存続させてください。
回答1回答は市長によるものと教育長によるものがあるが、論点が分かれるので、まず市長による回答について触れる。
市長の回答は次の通り。
ご要望いただきました内容につきましては、教育委員会が所管するものとなります。
地方公共団体の首長と教育委員会の職務権限等につきましては、「地方自治法」及び「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」によって明確に区分されています。
首長と教育委員会は、教育の中立性を確保するため、相互に対等かつ独立に事務を執行する必要があることから、このご要望につきましては、教育委員会からの回答とさせていただきたいと存じます。
▽疑問①=要望は、統合問題における「まちづくりの視点」や廃校後の校舎の利用についても尋ねている。これに関しては保護者説明会においても質問が出ていて、出席した保護者によれば教委側からは明確な答えはなかったと言う。
確かに、この問題に関しては教委の立場からは答えられないはずで、統合問題とは別に市長部局の立場から質問に答えるべきだと住民側は指摘する。
保護者説明会は教育企画課によって開かれたが、廃校後の施設は教育委員会の手から離れるので、それについて答える立場にない部署が説明するには無理があったのではないか。
▽疑問②=回答は地方公共団体の長と教育委員会の権限等については法律によって明確に区分されているとするが、果たしてそうなのか。
「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の一部改正が2015年4月1日に施行され、ここで「総合教育会議」の設置と役割について規定された。
同法では(総合教育会議)として、第一条の四1項に「地方公共団体の長は、大綱の策定に関する協議及び次に掲げる事項についての協議並びにこれらに関する次項各号に掲げる構成員の事務の調整を行うため、総合教育会議を設けるものとする」とあり、1号で「教育を行うための諸条件の整備その他の地域の実情に応じた教育、学術及び文化の振興を図るため重点的に講ずべき施策」を挙げている。
そして2項で総合教育会議の構成員として「地方公共団体の長」「教育委員会」を位置付け、3項で「総合教育会議は、地方公共団体の長が招集する」としている。
ここでは首長と教育委員会が明確に区分されているどころか、一体的なものとして論じられ、沼津市も、これに基づいて公開の総合教育会議を経て教育大綱を定めている。
さらに言えば、学校の統合が検討される理由である「学校規模・学校配置の適正化」は、この1項1号が挙げている「教育を行うための諸条件の整備その他の地域の実情に応じた教育」そのものだと言え、それならば総合教育会議を開いて市長、教育委員会が話し合うのに何の不都合もない。
同会議の場で協議の議題とすべきでない事項の具体例としては、「教科書の選択や個別の教職員の人事など特に政治的中立性の要請が高い事項」「日常の学校運営に関する些細な事項」などが挙げられている。
現在4校ある中学校を1校とし、来年4月に新しい中学校をスタートさせる下田市は、総合教育会議を開いて統合問題を話し合っている。
統合を決めるまでの経過については同市のホームページに詳細が掲載されているが、次回は、そのあたりにも触れながら考えたい。
(次号は掲載を休みます)
【沼朝2021年(令和3年)8月5日(木曜日)】
何が問題としてあるのか…3
第一校区と第二校区の小学校3校と中学校2校それぞれの統合間題。これに対して意見を持つ第二校区の住民は「私達は統合に反対しているのではないし、必要となることも承知している。ただ、なぜそれが再来年なのか。小学校と中学校を同時にやる理由は何なのか。統合後、学校の存在を前提としてあったコミュニティの在り様をどう考えたらいいのか、現状では何も見えていないし、もっと時間をかけて考える必要があるのではないか」と話す。現在4校ある中学校が来年から1校となる下田市。同市における中学校統合への過程はどうだったのか。
下田市の例「中学校再編に関する説明資料 令和2年5月下田市教育委員会学校教育課」(以下、説明資料)=中学4校の統合の過程について説明したもので、2007年12月からの流れが書かれている。
同市では、中学校統合の結論まで2段階の過程があり、便宜上、前段と後段という形で言うと、前段は結論先送りで一旦途絶える。4校の統合は、後段で改めて検討されて決まった。しかし統合への手続きが、どのように踏まれたかを見るのに、前段についても触れてみたい。
説明資料は2007年12月に始まる。 同月、「下田市立小・中学校再編整備について(答申)(下田市立学校等再編整備審議会↓下田市教育委員会)」あり、学校再編を考える第三者機関の審議会が設けられ、教育委員会から諮問されたことが分かる。
ここでの結論は中学校2校を2年4カ月後の10年4月1日に開校するというものだったが、09年5月の教育委員会で統合先送りを決める。「保護者・地域からの要望によっては統合に向け前向きに取り組んでいく」との但し書き付きで。
先送りの理由は「(この説明資料が作成された時から見て)当時の保護者や地域住民の方の十分な同意を得ることができなかったため」とある。
前段の答申から7年後の14年12月、同市の教育委員会は学校再編整備について下田市立学校等再編整備審議会に諮問。15年3月に答申が出る。
この答申では前段同様、中学校2校の統合を結論付けつつ、残る2校についての統合の可能性に触れ、さらには4校の1校化も視野に入れることを提言している。
そして、この統合問題の協議の場となったのが15年4月1日施行の「総合教育会議」。同年6月、審議会からの答申に関する説朋会が4中学校区ごとに開かれた後、同年10月に開催された同市における第2回総合教育会議の場で「学校再編」が俎上に載る。会議の構成員は、市長、教育長、教育委員4人の計6人。10月以降、3回の総合教育「会議が開かれ、学校再編が議題となっている。
16年度になり、8月に開かれた同年度第2回総合教育会議で「下田市立中学校再編に係る報告書」を策定。報告書は、「4中学校を一度に統合する手法が望ましい」との方向性を一示した。
以後、「下田市立中学校再編検討会一議」や「市長と語る一会・保護者説明会」が開かれ、17年9月の下田市議会全員協議会で中学校再編整備に係る市の方針決定が報告された。
この後も「市長と語る会・保護者説明会」が開かれ、18年に入って学校統合準備委員会が組織され、18年度から、校名や制服の選定方法など新校についての具体的な内容の検討に入っていく。
地域防災昨年3月2日、NHKラジオ第一が、学校統合にかかわる番組を放送した。テーマは「小学校の統廃合による地域コミュニティ崩壊が及ぼす地域防災力」。話し手は香川大学客員教授(2020年3月現在)の岩原廣彦さん。
内容は「四国防災ネットワーク」のホームページに掲載され、岩原さんは「小学校は地域防災の拠点」「統廃合による具体的な影響」「地一域防災ステーションの提案」「小学校の統廃合での留意点」可について論じた。
それによると、高一松市内で廃校となった小学校の地元で行った調査で、児童保護者の若年世代と高齢世代が交流する、つなぎの場がなくなったことで地域コミユニ一アイが崩壊し、地域防災力が低下しているとの回答があり、防災訓練への参加が減っていることが分かったと言う。
しかし、だから統廃合がだめということではなく、「小学校の統廃合にあたっては、教育の場であるとともに、地域住民のつながりの場や防災の拠点であることを踏まえ、廃校後の地域コミュニティのあり方まで行政と地域住民とで十分に議論することが大切だと考える」と結論付けている。
第二校区の住民が懸念の一つに挙げている問題だ。(次号では市教委からの申し入れ等を掲載する)
【沼朝2021年(令和3年)8月7日(土曜日)】
何が問題としてあるのか…4
第一校区と第二校区の学校統合にかかわる連載で5日、市広報課を通じ市教委教育企画課から記事についての訂正依頼があった。そこで、どの部分が、どのように違うのか文書にしてほしいと求めたところ、掲載記事と訂正内容の比較表が届けられたので、そのままの内容で掲載する。
訂正依頼5日に届けられた文書は「沼津市教育委員会教育企画諜長」(個名はなし)として、「第一・第二校区の学校統合報道記事について(依頼)」とあり、次のようなものだった。
4日付紙面で掲載された第一・第二中学校区の適正化に係る記事(連載1回目)の内容については、本市の認識している事実と異なることが記載され、大変困惑をしているとした上で、「別紙の記事概要と本市が認識する内容との比較表を御覧いただき、事実関係を確認していだいた上で、訂正記事の掲載等然るべき御対応をすみやかにしていただくようお願い申し上げます」というもの。
対応の可否について6日午後5時までに回答を、ということだったので、6日午前に回答。教育企画課長に電話を入れて、比較表を、そのまま掲載することを伝えた。
そのままを掲載することにしたのは、通常の文章の形に編集し直したのでは行き違いが生じることもあるし、読み手にとっても読みやすく分かりやすいという判断から。
その際、なぜ記事の訂正をすることになったのか、経緯を説明する必要があるだろうと考え、訂正依頼文書も、そのままではないにしろ、市教委側から、こういう申し入れがあったことを掲載する旨を伝えた。
また、「すみやかな対応を」ということに対して、翌日の7日付は既に予定されていて無理なので、8日付で掲載することを話し、実際に7日付の連載3では末尾に市教委からの申し入れについて掲載することを付記した。
訂正表はスペースを必要とするため、8日付紙面は予定された広告の段数を下げ、直ちに比較表作りに入り、午後、出来上がり、校正の段階に入ったところ、教育企画課課長補佐から電話があった。比較表をそのまま掲載するのかの確認で、そのつもりであることを答えると、当該文書は訂正依頼の話をする時のポイントを挙げたもので、そのまま掲載するには不必要な個所や加えたい内容もあるので直した上で送り直したいと依頼があった。
当該文書の掲載は課長が承知したものだったが、教委側が自分達の考えを伝えたいということに対して拒む理由もないから、了解し、改めて比較表が送られるのを待ち、6日午後6時に届いたのが別表だった。
【沼朝2021年(令和3年)8月8日(日曜日)】
別表令和3年8月4日i・第二中学校区の学校統合について
何が問題としてあるのか…1
報道された概要 記事内容
・頼重秀'市長宛てに提出した要望書に対する回答が7月21)日付であった。
本市が認識する内容
・要望書は市長宛であったが、内容が教育委員会で回答する内容があったため、回答したのは、教育長であり市長ではない。
記事内容
・第一校区についても少子化が進んでいるため.第二校区内だけで終わらせたのでは間題を先送りするだけとして第一校区と合わせて考えることになった。
本市が認識する内容
・第二中学校区の地域や保護者の意向を汲んで、他校区との検討を始めたものであり、第一校区の少子化が要因ではない。
これまでの経緯は以下のとおり。
H29.2.28第二地区3連合会長への説明会「コミュニティとしては、第一と第二が一緒になったほうが良い。」
H30,10,29第二中學校区保護者説明会(第二小体育館)
「第二中学校区を一貫校化しても、その後すぐに同じ問題が出てくる。第一中学校を含んだ中学校区の見直しが必要ではないか。」
H30.10.30第二中学校区保護者説明会(千本小体育館)
「平成33年4月が最短とのことであったが遅い。」
「平成39年の児童数の推定値を見ると、少なくとももう1地区含まなければいけないと思う。」
R1.G.6第l回推進委員会
「第二地区だけでは絶対に解決できないので、中学校区を考えていく時期である。」
(複数意見)
これらの意見を基にRl.11月に第二小学校.千本小学校、第二中学校及び未就学児の保護者を対象にアンケートを実施した。
アンケート結果
第一中学校区と統合し第一小、第一中の校舎を使用することを支持したのは、66%であった。(第二小を小中一貫校化14%)
報道された概要 記事内容
・保護者も加わった検討組織で話し合う中で、保護者側から小学校の統合については了解するが、中学校については議論を深めて欲しいという提案がなされたものの.教委側は受け入れなかった。
本市が認識する内容
・方針決定前の推進委員会において.「小学校の統合については了解するが、中学校については議論を深めて欲しい」という提案はされていない。
令和3年6月18fiに開催した令和3年度第1回推進委員会並びに6月の保護者懇談会以降に一部の地域住民及び保護者から伺った意見である。
報道された概要 記事内容
・その理由は、小学校を統合した後、中学校が2校では、小学校卒業児童の進学先が分かれてしまい、児童にとっても、小中連携教育という点からも好ましくないなどというものであった。
本市が認識する内容
・小学校統合後、2校の中学校に進学することについて、小中連携教育の点で好ましくないのではなく、本市が推進する小中一環教育の観点から回答したものである。
本市の小中一環教育の理念
・義務教育9年間のゴールの姿を小中学校の全教職員で共有した教育活動・小学校と中学校をつなぐ教育計画による学びの充実
報道された概要 記事内容
・21年1月。奥村篤教育長に要望書を提出。中学校統合について議論を深めて欲しいなどと求める。
本市が認識する内容
・21年1月に第:地区コミュニティの名前で提出された要望書の内容は、「第一・第二中学校区が統合するなら.両校区にそれぞれ小中どちらか残すべきである」という主旨を述べたものであった。
報道された概要 記事内容
・6月、6回にわたって閥かれた説明会の議事録は、まだ公開されていない。参加した保護者によれば各回定員いっぱい近く集まり、時間切れになるほど紛糾したと言う。
本市が認識する内容
・6月に開催した説明会の参加者は以ドのとおりである。
6/25…13人、6/26/…8人、6/27…12人、6/28…29人、6/29…8人、6/30…34人各回定員いっぱい集まったということではなく、統合に対する不安の意見が多くでたのは27日、28日、30日の3日であると認識している。
今後の対応
・令和元年度以降の推進委員会議事録及び令和3年6月に開催した保護者懇談会の議事録をホームページに掲載予定する。
第一校区と第二校区の学校統合にかかわり、第二地区のコミュニティ組織が6月30日、会長名で行った市長宛ての要望に対する回答が7月20日付であったが、このうち奥村篤教育長による回答は、経緯と共に市教委の考えを述べた次のようなもので、回答2として掲載する。
回答2 第一・第二中学校区におきましては、推計により、千本小学校で複式学級を編制する規模になることが見込まれたため、平成29年度及び平成30年度に第二地区での地域の方々や保護者への説明会を開催したところから取組が始まっております。
平成31年度には、地域住民代表者や保護者の代表者、学校の代表者等を構成員とした第二中学校区適正化推進委員会を設置いたしました。
協議を進める中で、第二中学校区内での統合や一貫校化等を進めても学校規模はあまり変わらず、根本的な解決にはつながらないとのご意見を受け、令和2年度からは隣接する第一校区を含めた第一・第二中学校区適正化推進委員会を設置し、協議を進めたものです。
このように足掛け5年に及ぶ検討の中で、推進委員や保護者、地域の方々から、学校の施設や設備、津波や液状化などの災害リスク、通学や部活動など、様々な観点からご意見を伺うとともに、まちづくりの視点等にも配慮するため市役所内の関係部署との連絡会議を設置し、協議を継続して行ってまいりました。
最終的な判断をする上で、教育行政を預かる立場である教育委員会としては、これからの未来を担う子供、そしてその子供を学校に通わせる保護者の安全安心を第一に考え、総合的に判断をして方針案を定め、6月の教育委員会定例会において「適正化の方針」を決定いたしました。
協議期間中においても、児童生徒数は減少し、学校の小規模化は進む一方です。小中学校ともに一定の規模を確保し、よりよい教育環境を整備するため、学校間の交流を着実に進め、子供たちやその保護者の不安を希望に転じ、令和5年4月の開校を目指してまいります。
地域コミュニティを推進する上でも重要となる学校施設の活用につきましては、これまでも推進委員会や保護者会などでのご意見を受け、まちづくりや公共施設に係る計画等に基づき関係部署と協議を行ってまいりました。
今後も関係部署とともに、地域説明会等を開催し、地域住民の皆様からのご意見を伺い検討してまいります。
本市において取り組んでいる「沼津の小中一貫教育」では、小中学校双方の教職員が、目指す子供像を共有するとともに、9年間を通した教育課程を編成し、系統的・計画的な教育を推進しております。これにより、子供たちが9年間安心して学習に取り組む環境を整え、これからの時代に求められる資質・能力を育みます。
また、子供たちにとって、義務教育期をともに過ごした友人は生涯の友であり、中学校進学を機に離れ離れになることは、友情の絆を断ち切りかねないことにもつながります。
さらに、本市の学校教育は、中学校区を単位として、その校区の小中学校と地域とが一つになって子供を育てる「コミュニティ・スクール」を進めているところであり、その実現に向けて一体的に進めていくためにも、1つの小学校から2つの中学校にわかれて進学することは、望ましい姿とはいえません。
そして、第二中学校においては、生徒の減少により単学級化が進むことで、人間関係の固定化や教職員の減少等、教育環境上の様々な問題が生じることとなります。学級数は年を退って減少していくため、学校が小規模化することによるデメリットが、子供たちへ及ぼす影響を1年でも早く解消するために、早期に統合を進める必要があると考えております。
近隣市町の例近隣市町では、小学校卒業後、複数の中学校に分かれる例がある。
▽清水町=南小→南中、清水中。 ▽三島市=○東小→北中、南中、錦田中。○西小→北中、南中。○向山小→中郷中、錦田中。○沢地小→北中、山田中。○徳倉小→北中、北上中。 ▽長泉町=長泉小→北中、長泉中。 ▽御殿場市=朝日小→南中、富士岡中、原里中。 ▽富士市=吉永一小→東中、吉原三中。 ▽富士宮市=○黒田小→一中、三中。○富士見小→一中、二中、富士根南中。 ○大宮小→二中、三中。○貴船小→三中、四中。
【沼朝2021年(令和3年)8月11日(水曜日)】